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海の上のピアニスト

海の上のピアニスト

盆地育ちの山猿だった私には、海というものはあこがれのひとつでした。「ずっとここに住んでいたら、死ぬまでに海を見ることなんてあるのかな?」と思ったものです。



1900年、欧州からニューヨークへと多くの移民たちを運ぶ豪華客船ヴァージニアン号の中で、機関士のダニー(ビル・ナン)はダンス・ホールに置かれているピアノの上に置き去りにされた赤ん坊を見つけます。ダニーはその子をその歳にちなんで1900(Nineteen hundred)と名付けて育てます。やがてダニーは不慮の事故で死んでしまいますが、1900はその後もずっと船の中で育つことになります。そんなある日、船内のダンスホールでの音楽に魅了された1900はピアノに興味を持って弾き始めますが、その天性の才能もあってか見る見るうちに上達、やがてその船ではピアニストとして弾きはじめることになります。その間も一度も船を下りることなくずっと暮らす1900でしたが・・・・・・。

冒頭、トランペッターであるマックス(プルート・テイラー・ヴァンス)が現れて語り始める物語として始まりますが、この導入部に引き込まれてしまいました。疲れたバンドマンといった風貌、訥々とした語り口が雰囲気たっぷりです。そして数奇な一生を過ごしたピアニストの物語が語られるのですから、身を乗り出したくなるというものです。

1900の一生については正直リアルな話として見るには突っ込み所が多いような話なのですが、老トランペッターによる摩訶不思議な運命を背負った不器用な男についての大人の童話として聞けば、しみじみとする映画で私は結構好きです。各エピソードとそれを見せる映像が美しく、呆けたように画面を見ていました。

エンニオ・モリコーネの音楽もとても印象的でしたね。逆にこういう映画でしたらエンニオ・モリコーネが一番ぴったりなのかもしれません。


【海の上のピアニスト(The Legend of 1900) 1999年 イタリア=USA】
by santapapa | 2006-01-04 23:57 | 洋画一般
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