ムスリムにとって毎日がラマダンだったらそれはかなり大変なことでしょうが、毎日がバレンタインだったら千葉ロッテ・マリーンズのファンでなくても嬉しい人が多いのでは。
不動産屋で働くOK・ライ(黎明(レオン・ライ))はウソが得意な口から先に生まれたような男。付き合っていた彼女と分かれた夜に、コンビニエンス・ストアで恋に悩むワンダフル(張柏芝(セシリア・チャン))と偶然に出会います。その後、ワンダフルは友人の勧めでネパールから来た僧侶に運命を見てもらいますが、そこでまたOKと再び出会うことに。 運命を感じた2人は惹かれあうことになりますが、OKがワンダフルの会社の社長のシンガポールにいる従兄弟と間違えられたのを訂正せずに、それをそのままなりすましたためにどんどんウソを重ねることになって・・・・・・。
日本版DVDジャケットはシリアスな雰囲気ですが、王晶監督によるちょっとロマンティックな軽めのラブ・コメディ。コメディ部分は監督が監督だけになかなかにベタですので、安心して(笑)見られます。伊達男が愛する女性を騙したまま言い出せないでいるという部分で、
『大丈夫日記』や
『男たちのバッカ野郎』と似たようなテイストもありますが(レオン・ライも黒ぶちメガネをかけていますし)、こちらの方が落ちも含めてコメディよりも恋愛に比重がかかっているでしょうか。
セシリア・チャンがとても魅力的なOLに扮していますが、すぐに利き手で殴ったり蹴ったりするところがどういう訳か妙に似合ってます(笑)。翌年の
『我家有一隻河東獅(河東獅吼)』もそういう役柄でかつさらに怪力で、またなかなか似合ってましたけど(笑)。メーキングによれば、レオン・ライとの身長差があるので、撮影ではセッシュウしているとのことでした。マカオに住むという父親役の呉孟達 (ン・マンタ)はさすがですね。こういうコメディには出てくるだけで存在感が違います。
レオン・ライがセシリア・チャンに言う、
「幸せな気分でいれば毎日がバレンタインだ」という言葉がタイトルになっていますが、いい言葉です。Socksのアルバム、
『Every Time Every Xmas』もそういう気持ちからつけられた題名でした。日本ではどういう訳か、いつの間にかバレンタイン・デーが御歳暮御中元の日になってしまっていますが(苦笑)。
【エブリデイ・イズ・バレンタイン(情迷大話王/EVERYDAY IS VALENTINE) 2001年 香港】