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大巨獣ガッパ

Monster From a Prehistoric Planet

1960年代には東宝のゴジラ、大映のガメラという怪獣を主人公にした映画が、大好評を得てシリーズ化されました。これに乗り遅れまじと他の映画会社も怪獣映画に手を出しましたが、当時日活が作った怪獣映画こそ、この『大巨獣ガッパ』です。



雑誌記者の黒崎浩(川地民夫)はカメラマンの小柳糸子(山本陽子)と共に、プレイメイト社の船津社長(雪丘恵介)の命令で南太平洋の火山島であるオベリスク島に探検に行きますが、そこの洞窟の中では、巨大な卵を発見します。島民の話ではガッパという巨大な怪獣の卵だということ。はたして、その卵の中から現れたのは見たこともない大きな爬虫類の子供=子ガッパでした。探検隊はガッパの怒りを恐れる島民の反対を押し切って、日本へ連れて帰ります。それに気づいたつがいの親ガッパは怒って島民の村を踏み潰すと、一路日本に向かいます・・・・・・。

ガッパですよ、ガッパ。ネーミングがまず素敵です。河童と天狗とあわせて爬虫類っぽくしたような形でしょうか。さすがは南洋とはいえ、日本人そっくりの島民がいるオベリスク島だけあって、棲息する生物にも和のテイストが入っているようです。水陸空どこでもOKという環境適応能力もバッチリですが、ガラスをこするみたいな嫌いな音もあって、湖に潜っている時に嫌がらせにあったりもします。

基本的に、南洋の島とか秘境から何かワケワカランものをお持ち帰りすると、大騒動が起きることはお約束なのですが、ここでもその王道に従ってお持ち帰りしちゃうんですな。子供をさらわれた親としてはたまったもんじゃありません。取り返しに行くのも当然です。羽田空港での親子再会のシーンでは盛り立てるBGMもあって、涙なしでは見られません(笑)。

ガッパ夫婦が熱海(行ったことありますがそっくりに作ってました)の海岸に出現するシーンでの、巨大ユデダコを咥えている勇姿が印象的です(笑)。石森章太郎の『鉄面クロス』(『鉄面探偵ゲン』)の十文字元を思わせるその姿に、度肝を抜かれた人も多いのではないでしょうか。

主題歌も素敵でした。世は『青春デンデケデケデケ』に描かれているエレキ(注:エレクトリック・ギターのこと)全盛時代だけに、明るい青春エレキ歌謡をバックに映画が始まります。「がっぱ~~~!がっぱ~~~!」という最後のリフレインが強力に耳の奥に残る曲です。

ちなみにイギリスのSF-TVドラマ『宇宙船レッド・ドワーフ号』に、この映画からのフィルム借用でガッパが出演しています。「なぜ、ガッパ?」と思ったりもしましたけど(笑)。


【大巨獣ガッパ 1967年 日本】
by santapapa | 2005-05-18 19:59 | 邦画
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