moog

moog

moogと書いて「モーグ」と読みます。昔は「ムーグ」と呼んでいました。かつてのシンセサイザーの代名詞であり、またそれを作ったロバート・モーグ博士の苗字でもあります。



電子音楽の歴史に多大な影響を与えたシンセサイザーの父=ロバート・A・モーグ博士の半生とシンセサイザーの発展を追ったドキュメンタリー・フィルムです。モーグ博士への密接インタビューを中心に、歴史的なフィルム、モーグ・シンセサイザーを使ったミュージシャンたちにスポットを当てて紹介しています。

私の場合、シンセサイザーが存在しなければ、おそらく音楽の演奏に触れることは無かったのではないかと思っている人間なので、この映画の日本公開を楽しみにしていました。と言いながら使っていたシンセサイザーはほとんど国産で、値段が高いのとV/Hz方式のシンセサイザーから入ったのでmoogは1台も持っていなかったりするのですが(笑)。

モーグ博士の「生の声」や、キース・エマーソンやリック・ウェイクマン、バーニー・ウォレルなどのmoogに寄せる言葉とエピソード、モーグ・シンセサイザーのイベント演奏による昔の貴重なフィルムなど、好きな人にとっては涎が止まらなくなる映像がてんこ盛でした。リック・ウェイクマンがジャック・ワイルドからミニ・ムーグを買った時のエピソードには爆笑。また、すぐにシモネタに走りたがるバーニー・ウォレルもファンキーでした。モーグ博士自身も昔製造販売していたテルミンの演奏を見せたり、来日時に「太鼓の達人」に興じる場面があるなど、おちゃめな魅力も振りまいていました。映画ではありませんでしたが、パンフレットに掲載のインタビュー(*1)では昔来日した時にラーメン屋に行けなかったことについて怒っています(笑)。

残念なのはカメラ・ワークと編集が非常に雑だったことで、素材がいいだけに残念です。もっといろいろとやりようがあったと思います。ライブ・シーンが断片のブツ切りなのはこういう映画では仕方の無いことでしょうかね。また、出演者にサン・ラが入っていたので期待したのですが、映ったのは一瞬でした(苦笑)。それとパンフレットには「93年に地球から去った」とありますが、そうじゃなくてサン・ラは「宇宙に帰った」のです(笑)。あと、バーニー・ウォレルの一番長くかっこいいいシーンがKORGのTRITONを弾くシーンというのは映画『moog』としてはいかがなものでしょうか?(苦笑) 

全編が1時間程度の映画ですが、昔のシンセサイザー好きにはたまらない映画ではないでしょうか。ちなみにイベントの日で、20年前に知り合った松前君高さんとお会いできたのも嬉しかったです。


映画『moog』日本公式サイト

映画『moog』海外オフィシャル・サイト



(*1)パンフレットに掲載のインタビュー
◎当時も渋谷にはラーメン屋が色々とあったかとは思いますが・・・
「その時はだれも私をラーメン屋に連れて行ってはくれなかったのだ。後に、伊丹十三監督の名作『タンポポ』を見た時には、とても腹が立った」
◎なぜ、お怒りになったのですか?
「日本では、どうして誰も私にラーメンを食べさせてくれなかったのか!!と本当に腹が立った。『タンポポ』を見た後、ラーメンについて文献等も研究したが、ラーメンとはデザイナーである料理人と顧客であるユーザーの味の真剣勝負だと知った。日本にいながら、私はそれを体験するチャンスをみすみす逃したのだ。あの時は、フグよりもまずラーメンを食すべきだったはずだ」


【moog(moog) 2004年 USA】
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by santapapa | 2005-03-11 23:30 | 音楽ドキュメンタリー
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