太陽を盗んだ男

太陽を盗んだ男

阪神の背番号15とは無関係です。50億年前から輝き続けている太陽。それが水素をヘリウムにする核融合で熱を発していることは広く知られています。ゆえに核分裂を利用する原子爆弾や核融合を利用する水素爆弾を、太陽になぞらえることがあります。有名なのはロベルト・ユンクの「千の太陽よりも明るく」などでしょう。



中学の物理教師の城戸誠は学校で教鞭を持つ傍ら、東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、自宅でひっそりと原子爆弾を製造します。できあがった原子爆弾を盾に城戸は政府を脅迫します。その要求は、「ナイターを最後まで放送しろ」、「ローリング・ストーンズを日本に呼べ」。そして原子爆弾を作るのに借りた五十万円を返すために五億円を要求します。デパートで金を受け取った城戸は警察に包囲されて・・・・・・。

1970年代も終わりの作品ですから、「ナイターを最後まで放送しろ」とか「ローリング・ストーンズを日本に呼べ」という要求がピンとこないと思います。昔の野球のナイターのテレビ中継は、今ほど試合自体の時間も長くはありませんでしたが、ほとんどが時間になると容赦なく終わっていて、「黒革の手帳」の放映中止にテレビ局に抗議が殺到なんてこともありませんでした。また、ローリング・ストーンズについては1973年に来日予定でチケットまで売り出されたのですが、来日直前になってメンバーの麻薬問題で日本政府から入国許可が降りずに中止になった経緯があります。後の1990年にようやく初めての来日コンサートが実現しました。

映画としては突っ込みどころ満載でかなりはちゃめちゃな映画なのですが、全編に迸るエネルギーがあるからなのか、その強引な破天荒ぶりがとても面白いです。沢田研二扮する城戸と菅原文太扮する山下刑事との一騎うちがあるのですが、菅原文太の不死身ぶりにはもう笑うしかありません。また映画の中で皇居前や国会議事堂でのシーンがありますが、今だとおそらく制作側が勝手に自主規制とかをやってそういうシーンは撮ろうともしないのでしょうね。

ラストに沢田研二が平和で普段どおりの街を病に冒されながら彷徨う姿は印象的で、秒針の音とともに心に残ってます。


【太陽を盗んだ男 1979年 日本】
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by santapapa | 2004-10-30 12:59 | 邦画
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