ミトン  レター  ママ

ミトン

『チェブラーシカ』で有名なロマン・カチャーノフ監督が1970年前後に作製した人形アニメーションの作品集です。『ミトン』、『レター』、『ママ』の3作共に短い小品ですが、珠玉という言葉が似合うような愛らしくあたたかいお話です。



『ミトン』は、犬を飼いたくて仕方のない女の子が、ある晴れた冬の日にお友達のおうちで生まれたライカ犬の子犬をもらいます。喜んで家に連れて帰ったのに、母親に叱られて返してくるように言われてしまいます。悲しい思いで雪道を歩く女の子に、不思議なことが起こります・・・・・・。

『レター』は戦争が影を落とす世界の話で、海軍で働く父親からの手紙がふと届かなくなります。心配で母親は元気がなくなってきて。不安の中にいるある夜に、不思議な旅を経験します。

『ママ』は、子供が寝ている間に買い物に出かけるのですが、行列でなかなか家に戻れません。その間に家では子供に大変なことが次々に起こっていきます。

どれも短い作品ですが、見入っているうちに終わってしまってほっと気持ちが柔らかくなるような作品ばかりです。人形の姿と動きからして暖かさがにじみ出ていますし、それに生命が宿ったように動く姿が見事です。セリフがなく、動きだけで伝わってくるものがある作品です。

また、人形が動く風景も1970年前後という時代を離れた感覚で作られているような感じです。古くささを感じさせない架空の空間のようで、なぜか懐かしさを憶える風景のように思いました。

うちの場合は祖母の代から犬好きの家系で、犬を飼っていたことが多かったのですが、小学校の頃、犬がいない時代に小さなノラネコが家までついてきたことがあります。「にゃ~にゃ~」言いながらスリスリしてくるので、情にほだされて親に「飼ってもいい?」って聞くとにべもない返事。「一生のおねがい!」(子供のうちは「一生のおねがい」を何度使ったことか(笑))と拝みたおしても頑として聞き入れてくれず、「晩ご飯の時間までに、元いたところに戻してきなさい」と言われてしまいました。親に逆らうだけの生活力も根性もないサンタパパ少年は、しょんぼりと下を向きながら猫を抱いて、元いた河原にそっとネコを置きます。「ごめんね。おかあさんが飼っちゃいけないんだって」とネコというよりは自分に諭すように言うと足早に立ち去りました。小さいくせにかしこまった姿で言葉を聴いていたネコは、立ち去るのを見ると追いかけるでもなく「にゃ~にゃ~」と鳴き始めました。だんだん遠くなる声と雲に映える夕陽が切ない思いをいっぱいにして、黙って夕食を食べた後は、床に入ってもしばらくはまんじりともせずに過ごしたのを思い出します。

あ~、なんか思い出したら、ちょっとおセンチになっちゃったぞ(苦笑)。


【ミトン(Mitten) 1967年 USSR】
【レター(Letter) 1970年 USSR】
【ママ(Mama) 1972年 USSR】
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by santapapa | 2004-10-25 22:13 | 洋画一般
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