ロイ・ビーン

ロイ・ビーン

『西部の男』にも登場する実在だったという判事ロイ・ビーンを主人公にした物語。ジョン・ヒューストン監督、ポール・ニューマン主演によるちょっとコメディ・タッチも入った「オトコの生き様」を見せてくれる映画です。



19世紀末のテキサスでは、ペコス川を境にその西側では法律も正義もなく、暴力と無秩序とガラガラ蛇だけがある世界でした。その町に現れたのは強盗をやってきたというロイ・ビーン(ポール・ニューマン)。酒場に入ったのはいいのですが、土地の荒くれどもにフクロにされて叩きだされます。気がついた時、目の前にいたのはメキシコ系の少女マリー・エレーナ(ヴィクトリア・プリンシパル)。心配そうに見つめる彼女から拳銃を借りたロイ・ビーンは酒場に戻ると皆殺しにします。ロイ・ビーンはその酒場に居つくと、まだ見ぬ心の女神である大女優リリー・ラングトリー(エヴァ・ガードナー)のニックネームからジャージー・リリーという看板をつけて法廷にすると、壁にリリー・ラングトリーの大判ポスターを貼り、勝手に判事を名乗って5人の保安官を任命し、町の法律を自認します。通りがかったグリズリー・アダムス(ジョン・ヒューストン)の残した黒熊と一緒に生活を始めたロイ・ビーンは、数々の悪党を相手にしては縛り首や射殺しますが、ある日弁護士のガス(ロディ・マクドウォール)という男が現れて・・・・・・。

世の中、まあ「オレが法律だ」と言うヤツに限ってロクなヤツはいません。このロイ・ビーンも独善的で、結構行き当たりばったりで、人を簡単に殺すオレ様人間だったりしますが、これが憎めないんですなあ。映画の中の人物だからというのはもちろんあるのですが、強いところも弱いところもとても人間臭くて魅力的です。それに加えて勝気で情の深いメキシコ娘マリア・エレーナ役のヴィクトリア・プリンシパル、ロイ・ビーンの憧れの君であるリリー・ラングトリーに扮するエヴァ・ガードナー、そしてロイ・ビーンの娘役に扮する若きジャクリーン・ビセットと、登場場面は少ないものの華麗な花である女優陣もメリハリが効いています。

全編、一見シリアス・タッチでありながら、真面目な顔でコメディをやっているところがいいですな。神父を始めとする登場人物の独白なんか好きです。また、黒熊くんがいい味だしてましたね。ただでさえかわいさ100倍なんですが、アンディ・ウィリアムスの曲をバックに2人と一匹でピクニックに行く場面なんか最高に場違いで楽しいです(笑)。それでいて最高にカッコイイ最後の登場と、そしてオルゴールのシーンとラストのリリー・ラングトリーのエピソードはぐっと泣かせます。

音楽はモーリス・ジャール。普通の西部劇とはちょっと違ったタッチのサウンドトラックですが、雰囲気がぴったりでした。『テキサス1の赤いバラ』ならぬ「テキサスの黄色いバラ」は物語のポイントにもありますが、心に残りますね。

とにかく、ストレートで、乱暴で、バカで、女に弱くて、一途で、純情なロイ・ビーン。会うことがあれば言ってみたいです。
 「ロイ・ビーン、あんた、オトコだよ」


【ロイ・ビーン(THE LIFE AND TIMES OF JUDGE ROY BEAN) 1972年 USA】
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by santapapa | 2006-08-08 23:51 | 洋画一般
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