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アンナ・マデリーナ

アンナ・マデリーナ

きっとどこかで一度は耳にしたと思うメロディ。聴くとなつかしいような、ほっとするような、心温まるようなメロディ。



ピアノの調律師をしているチャン・ガーフ(金城武)は、客先で出会った自称小説家のヤウ・モッヤン(郭富城/アーロン・クォック)に頼られて彼を自分のアパートに居候されることになります。そしてそのアパートの上の階に、モク・マンイー(陳慧琳/ケリー・チャン)という女性が引っ越して来ます。彼女は習いたてらしいピアノを弾くのですが、その音が気に食わないとモッヤンは喧嘩をするする始末。ところがマンイーがシャワーを浴びながら料理をしたのが元で消防車を呼ぶほどのボヤを起こしたことがきっかけで、マンイーとモッヤンは急接近。マンイーに惹かれている自分の胸の内を言い出せないガーフは・・・・・・。

アンナ・マデリーナは通称アンナ・マグダレーナのことですね。映画は音楽を模して、「第一楽章 ヤウ・モッヤン」、「第ニ楽章 モク・マンイー」、「第三楽章 モッヤンとマンイー」、「第四楽章 変奏曲」の4つの部分の構成になっています。2人の生き方のまるで違う男性と1人の女性を巡る恋模様を描いたちょっと切ない映画でした。恋しても気が弱いとなかなか言い出せない不器用さは、よく判る分じれったくもありますね。恋の方程式に正解はなく永遠に解けないものだけど、人の数だけ解があるのではないでしょうか。

第三楽章で終わるとよくありがちなラブ・ストーリーの映画なのでしょうけど、見始めは大きくぶっとんだように見える第四楽章がなかなか気に入ったパートです。これだけ独立してみても、結構面白いと思うし、「○と×」の物語とそれを取り巻く人たちの話しがあってより愛しい映画になりました。監督が美術監督出身というのもあるのでしょうけど、他のパートはもちろんのこと、第四楽章は特に色彩が強く印象に残っています。

それと第ニ楽章の途中、調律をしに行った先のリュンという67歳のおばあさんが、実にいい感じでした。ガーフの横でピアノを弾きながら部屋の中を映していくシーンは人生を垣間見せてくれるようで、じんときます。

しかし当て字だから仕方ありませんが、なんだか原題で「安娜瑪徳蓮娜」と書かれると、夜間バイクで集団走行してスプレーで壁に漢字の書き取りする方々を思い出してしまいますな(苦笑)。


【アンナ・マデリーナ(安娜瑪徳蓮娜/ANNA MAGDALOENA) 1998年 香港】
by santapapa | 2006-07-28 23:56 | 香港(中国・台湾)映画
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