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トム・ソーヤ (1937)

THE ADVENTURES OF TOM SAWYER

マーク・トウェインの名作ジュブナイル「トム・ソーヤの冒険」は、世界中の多くの人に親しまれ何度も映画化されていますが、これは1937年に『キング・コング』、『スタア誕生』、『風と共に去りぬ』、『第三の男』などの製作で知られるデヴィッド・O・セルズニックの製作、トミー・ケリー主演で作られた映画。当時最新鋭のテクニカラー作品です。



ミシシッピーの小さな町でポリーおばさん(メイ・ロブソン)と暮らすやんちゃ坊主のトム・ソーヤ(トミー・ケリー)はいつも悪戯ばかりやっています。学校をサボってポリーおばさんに塀のペンキ塗りを言いつけられ、持ち前の機転で友達にやらせたり、聖書を暗記したらもらえるカードを物々交換で集めたり。そして町に引っ越してきたベッキー(アン・ギリス)に夢中になったトムは彼女の気を引こうとして、授業中にかばったことがきっかけで仲良くなることに。そんなある夜、親友のハックルベリー・フィン(ジャッキー・モラン)と遊びに出たトムは、墓地で殺人事件を目撃してしまいます・・・・・・。

「トム・ソーヤの冒険」や「ハックルベリー・フィンの冒険」は子供の頃、むさぼるように読みました。子供時代誰もが持っているワクワクする気持ちが描かれていて、何度も読み返したものです。この映画でも冒頭で「マーク・トウェインの世界をあなたに」とあるように、かなり原作に忠実に作られていて想像した世界観そのままに映像化されているのが嬉しいですね。カエルの鳴き声がする田舎町、真鍮のドア・ノッカーなどの「宝物」、女の子の気を引き、1日中海賊ごっこで遊び、夜中にこっそり抜け出しと、原作の魅力でもあるのですが鼻をたらしながら日が暮れるまで真っ黒になって外で走り回っていた子供時代を思い出して心にぐっと来ます。特に子供同士の友情の誓い、子供同士のかわいい婚約の誓い、家族の愛情、勇気がストレートに描かれているのがよかったです。

物語の後半を盛り上げる洞窟シーンは圧巻。洞窟の造型もいいし、映像も臨場感があってすごく雰囲気がでています。加えて洞窟内での危機と、ベッキーが錯乱するシーンは強力で忘れられませんね。

音楽はフランツ・ワックスマン。ノスタルジー溢れる音楽がたまらんです。

しかしドビンズ先生、教室の壁に罰用に鞭を10本用意してましたが、あんなにいるもんなんでしょうか(苦笑)。かくいう私も小学生までは親の言いつけを守らないと、30センチの竹のものさしで尻を打ち据えられたものです(苦笑)。あと、アドリブの利く神父さんっていいなあ(笑)。


【トム・ソーヤ(THE ADVENTURES OF TOM SAWYER ) 1937年 USA】
by santapapa | 2006-07-23 23:06 | 世界の映画
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