ミュージック・クバーナ

MUSICA CUBANA

!sabrosura!

音楽好きのすべての人に見てもらいたい映画。



キューバではその名を知らない人いない86歳の歌手であるマエストロのピオ・レイバは、ある日ラジオに出演するために乗ったタクシーの運転手バルバロ・マリンに、若手ミュージシャンと組んでバンドを作ったらどうだろうかと熱心に語りかけられます。聞き流していたピオ・レイバですが、バルバロにメンバーを紹介されるにつれて気持ちが動き、やがてメンバーを集めて新しいバンドつくりに動き出します。古い曲から新しい曲までいろんな要素を詰め込んだその楽団はやがて日本で演奏する機会に恵まれます。

The Sons of Cunaのリハーサルから日本公演までをまとめたストーリー仕立ての入ったセミ・ドキュメンタリー。古いボレーロなどの美しいメロディによる曲やとびっきりノリのよい今のキューバらしい音楽まで、全編ワクワクする音楽に溢れた映画です。何よりも素晴らしいのは映画が音楽をまったく邪魔しているように感じません。歌の途中に会話がさしはさまったり編集で短くなっている箇所は数多くあるのですが、それが不自然ではなく感じます。この映画は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のヴィム・ヴェンダースが総指揮に名を連ねています。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』についてはとびっきりの素材の良さでもっていたものがあって、多少ヴィム・ヴェンダースやライ・クーダー(どちらも好きなんですけど)がまずい調理をしても素材の強さのおかげで損なわれる部分が少なかったのですが、この映画では素材の良さに加えて調理もうまくできているなあと。音楽に対する愛を感じました。

ともかく、メロディよし、ノリよし、演奏よし、かっこいい!音楽好きのすべての人に見てもらいたい映画です。

冒頭のハバナの夜明けからルンバの歌と踊りなどの市井の場面なども見逃せない場面です。そして、メンバーそれぞれの音楽やキューバへの想いも語られています。自分たちのアイデンティティとその音楽については常々考えさせられていることでもあるので、考えさせられる言葉でもありましたね。そしてエル・ネネの母が7人子供を育てたと言う言葉、なんのことはない言葉なんですがその姿と言葉にじんとくるものを感じます。

今年の3月にピオ・レイバが88歳で亡くなったことは、年齢も年齢とはいえ悲しいことでした。

ところで原題は『MUSICA CUBANA』なのに、邦題が『ミュージック・クバーナ』ってなんか中途半端な(苦笑)。『マエストロ・ピオ・レイバの恋のキューバ音楽大作戦』って名前にしろとは言いませんが(笑)、『ムジカ・クバーナ』か『ザ・サン・オブ・キューバ~キューバ音楽を継ぐもの』みたいなタイトルでもよかったような。

見に行った日は運良く上映前にキューバのトリオ編成による生演奏が「son de la loma」等4曲。昔からトリオ編成のコーラスが好きだったので至福のひとときでした。観客の合ってない手拍子クラーベが音楽を阻害していたのは少し悲しかったですけど(苦笑)。あれだったら、却って頭4つ打ちの方がカンパーナとも合うしいいと思うんですけどね。


『ミュージック・クバーナ』公式サイト


【ミュージック・クバーナ(MUSICA CUBANA) 2004年 キューバ=ドイツ=日本】
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by santapapa | 2006-07-09 23:54 | 世界の映画
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