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大怪獣ガメラ

大怪獣ガメラ

映画のノベライス、映画のマンガ化というのをタイアップも含めて少なからず目にする機会がありますが、よく思うのが「ストーリーが違う」ということですね。作者の作家としての本能があったりするのか、はたまた変えてほしいという要望があるのか、子供の頃は納得がいかなかったりしていました。面白ければ何でも許すと思う現在も、なかなか本編の映画を越えたノベライスに出会えることはあまり多くはありません。



この『大怪獣ガメラ』というマンガは原作・寺沢健一郎、作画・破李拳竜で、徳間書店の「MANGA BφYS」という雑誌に連載されていたものが同社から単行本になったもののだそうで、1995年3月の発行。ちょうど徳間書店が資本の大映による所謂平成ガメラ・シリーズの記念すべき第一作に当たる『ガメラ 大怪獣空中決戦』が封切られた頃になります。俗に言うメディアミックスとかいうものですな。そしてこのマンガ、映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』のストーリーに沿うどころか自由に想像の羽根を広げまくって、中華フルコース並の大サービスマンガになっています(爆笑)。

ストーリーは宇宙に君臨するギャオスが数々の怪獣を操って人類をドレイとエサにするために地球を支配しに来るのですが、それを迎え撃つのが守護神ガメラという150ページの力作。とにかく熱い!熱いです!(笑) ギャオスの配下にはバルゴン、バイラス、ギロン、ジャイガー、ジグラといったおなじみの昭和ガメラのライバルたちが総終結するのみならず、ガランシャープ、ダブリュース、フタコブカラッパ、マルガラッパ、ハリネズラ、ゲボラスと言ったオリジナル怪獣まで登場。気合の入れ方が違います。最強怪獣パワード・ギャオスなんていうのも(笑)。

対するガメラは鍛え方が違います。なにせフル・コンタクトの試合に臨むために、グレイシー柔術を会得しているんですな(笑)。カタも決まっています。「まるでゴッド・ハンドだ」なんてセリフもあるし(爆笑)。腕なんか筋骨隆々でプラズマ掌打ガメラ拳法まとめ斬りアポロ落としなどの技を駆使します。

もちろんオヤクソクもしっかりと盛り込んであり、前半のスプラッタ+敗北や子供好きといった基本はもちろん、子供の「ギャオって鳴くからギャオスだいっ」ってセリフもあります。しかもパラレル・ワールドではガメラはゼノン号と相撃ちとなったという設定の細かさはさすがです。しかし、宇宙平和連合の宇宙船がなんとなくパイラ人に似ているというのは気のせい?(苦笑)

このマンガが一番すごいのはオリジナルな部分。ギャオスが福岡ドームに現れた頃、ダイエー(今のソフトバンク・ホークス)対ロッテでギャオス内藤こと内藤尚行投手(1995年当時はヤクルトからロッテに移籍)が投げていたのですが(爆笑)、その怪獣の方のギャオスを倒すのに活躍したのがダイエー・ホークスの監督である王貞治(大爆笑)。一本足打法でギャオスに対抗します(笑)。以前、『バーブ・ワイヤー ブロンド美女戦記』のエントリーでダークホース・コミックスの『ゴジラvsバークレー』を紹介しましたが、日本にも立派に対抗できた作品があるのです(笑)。

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実にこってりとした満腹感が得られるマンガです(笑)。
by santapapa | 2006-07-04 23:55 | 映画本
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