俺たちは貧しい労働者 働きづめでクタクタだ
給料はスズメの涙 本当にツラいよ
上司はいつも犬のように吠えている(ワンワンワン)
昇給などなど望めたものじゃない
洗壜工場で働くキット(許冠傑/サミュエル・ホイ)はドジを踏んでクビになり、見習いの求人広告を元に訪ねたのが万能探偵事務所。そこではウォン所長(許冠文/マイケル・ホイ)の下、と助手チョンボ(許冠英/リッキー・ホイ)と秘書のジャッキー(テレサ・チュウ)がいろんな依頼を受けていました。カンフーができるということで偶然活躍が認められて万能探偵事務所に入ったキットですが、次々に「難事件」が飛び込んできて・・・・・・。
「香港映画はよかですよ」と人に薦めると、ある年齢層には香港映画のイメージは概ね「ブルース・リー」、「ジャッキー・チェン」、「ホイ兄弟」になるみたいです。それだけの影響を与えたひとつが『Mr.BOO!』と一連の作品でしょうね。とぼけた味のギャグを中心にしたコメディで、刺激の多い今となってはかなり古さを感じてしまいますが、基本を外していないので私にはまだクスクス笑える映画ですね。ソーセージ・ヌンチャク対鮫のアゴや、料理番組からエアロビクス、ブティック・ホテルの浴槽のシーンなんかはお気に入り。ラストのエンディングがダイジェストになっていますな。しかし冒頭の香港の街角のシーン、固定カメラと見えて微妙にブレているのは当時の予算の関係でしょうか(笑)。
この一連の作品では好き放題やってたテレビの吹替え版が評判でしたが、この『Mr.BOO!』ではマイケル・ホイを広川太一郎が、サミュエル・ホイとリッキ-・ホイを当時人気抜群のツービートの二人が吹替えています。
沈着冷静なストレイカー司令官が、
「知らぬが仏、知ってキリスト」とか、
「気取ったトンボのサングラスが、鬼ヤンマのハナクソ」とか言ってるじゃ~ん(笑)。ある意味、原音と吹替えではまったく別の作品(笑)。
「俺たちは貧しい労働者 働きづめでクタクタだ~」と歌う主題歌は名曲ですなあ。イントロのリフだけでこの曲と判るだけのキャッチーなフレーズは一度聞いたら忘れません。
【Mr・Boo! ミスター・ブー(半斤八両/THE PRIVATE EYES) 1976年 香港】