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ミッドナイト・ラン

ミッドナイト・ラン

人と人との出会いは不思議な偶然。お互いの立場で騙しあい、そして思わぬところで気が合うのも不思議な偶然。



シカゴ警察を退職してロス・アンジェルスで荒っぽい賞金稼ぎを営んでいるしているジャック・ウォルシュ(ロバート・デ・ニーロ)は、馴染みのマスコーニ保釈金融会社の社長エディ(ジョー・パントリアーノ)から依頼を受けます。依頼の内容は、ギャングのボス、ジミー・セラノ(デニス・ファリナ)の金1500万ドルを横領した上に慈善団体に寄付して行方をくらませた会計士のジョナサン・マデューカス(チャールズ・グローディン)=通称デュークに貸した45万ドルを回収するために、彼の身柄を拘束すること。撃たれる心配もなく日帰り仕事だと言うエディから10万ドルの成功報酬を引き出すことに成功したジャックは、危険な賞金稼ぎから足を洗って店を出すためにこの仕事を引き受けます。ところがセラノ逮捕のための重要な証人であるデュークを渡すことはできないと、FBIの捜査官アロンゾ・モーズリー(ヤフェット・コットー)はジャクを恫喝。それを逆手にとって、ジャックはこともあろうにモーズリー捜査官の身分証を掏ると彼に成りすましてしまいます。デュークの潜む東海岸のニューヨークに飛んだジャックは、持ち前のテクニックを駆使してデュークの居場所を探り出すとまんまと捕獲。意気揚々とロス・アンジェルスに戻って報酬を手にする・・・・・・と思いきや、なんとデュークは高所恐怖症の閉所恐怖症で飛行機恐怖症だと騒ぎ立てます。おかげで旅客機から追い出されて汽車とバスを使って延々と西海岸のロス・アンジェルスまで護送するはめに。こうして逃げたいデュークと逃がせないジャックの珍道中が始まります。しかし、重要な証人であるデュークを追っている上に身分証を盗まれたFBI、デュークを許せないセラノ一家、そしてデュークが金になると知った商売敵の賞金稼ぎたちがふたりの行方を追ってきたから、さあ大変・・・・・・。

ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンによるロード・ムービーであり、アクションであり、コメディの映画。友情と家族でちょっぴりほろりとさせてもくれる、お気に入りの満点娯楽映画です。ロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンはそれぞれさえない野暮ったさと生真面目さを感じさせながら、海千山千の喰えない部分と過去を持っているところの描写が、またなかなかいい感じです。それでありながら、共通する部分は心に秘めた正義感とプライドなんですよね。お互いが話をしていくうちにだんだん分かり合えそうになりながら、それでも利害が相反するコンビ。それだけに、ラストはありがちながら見事だと思います。

コメディとしても爆笑はしないまでも終始微笑ましく、ふたりのキャラクター付けに裏打ちされた会話がなかなか秀逸です(笑)。そしてアクション・シーンもなかなかにかっこいいです。特にヘリコプターの尾翼に文字通り弾丸を「ぶち込む」シーンは痛快ですね。

ジャックと娘のシーンはやられましたね。娘がジャックを思いやる場面ではぐっときちゃいました。酸いも甘いも噛み分けた大人の男の映画とも言えるでしょうか。歳とってから見るとまた味わいがあります。

音楽はダニー・エルフマンですが、そうとは知らずに聴いた私は、「ライ・クーダーもファンキーになったな」とか思っちゃいました(笑)。USA横断のロード・ムービーにふさわしいアメリカアメリカした感じの音楽が実にあってます。


【ミッドナイト・ラン(MIDNIGHT RUN) 1988年 USA】
by santapapa | 2006-04-08 21:49 | 洋画一般
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