摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に

摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に

今でこそ所謂首都圏の近くに棲息していますが、九州の田舎から出てきた純朴な少年だった頃は初めて東京の摩天楼を目にして、「これが生き馬の目を抜くと言われる東京ばい」と思いながら、首が痛くなるまでビルヂングのてっぺんを見ていたものでした。

その摩天楼に邦題で「ニューヨーク」という字を当てたのが『摩天楼はバラ色に』。原題は『THE SECRET OF MY SUCCESS』でマイケル・J・フォックスが主演、ヘレン・スレイターが共演しています。



社会での成功を夢見て、カンザスからニューヨークに出てきた若者のブラントリー・フォスター(マイケル・J・フォックス)は就職口を捜しますが、なかなか会社の採用条件に会わず、どこへ行っても門前払いを食らってしまいます。仕方なく母親の遠~い遠~い親戚を頼って一大コングロマリットであるペンロープ・コーポレーションを訪ねます。叔父で社長のハワード・プレスコット(リチャード・ジョーダン)は、ブラントリーの熱意に押されてメール・ボーイの仕事に就かせることにします。採用に喜んだブラントリーは、ふとその会社で見かけた美女に一目惚れ。その正体は、ハーバード大学出身の若き重役で社長の愛人でもあるクリスティ・ウィルス(ヘレン・スレイター)でした。ブラントリーは社内中をくまなく歩き回るメール・ボーイの立場を利用して、次第にペンロープ・コーポレーションの内情を把握していきます。ところが、ひょんなことから社長の妻で欲求不満のベラ・プレスコット(マーガレット・ウィットン)に目をつけられて・・・・・・。

明るく軽いとんとん拍子の出世物語をストーリーにした肩の凝らないライト・コメディです。不倫やら愛人やら絡んでくる話なのですが、マイケル・J・フォックスの真面目さとカラッとした演出で、ドロドロした愛憎物語にならないように仕上がっています。その生真面目さがまたコメディの核のひとつだったりするのですけど(笑)。リメイクではないのですが、就職したのがメール・ボーイだったり、いろんなところで1967年のミュージカル『努力しないで出世する方法』の影が見えます。おそらく映画好きのオマージュでしょうね。そういえば冒頭、「トト、もうカンザスじゃない」という独り言のセリフもありました。共演のヘレン・スレイターは『スーパーガール』でデビューして2年、3作目の映画出演で、ブラントリーのあこがれの女性を好演しています。

音楽はデヴィッド・フォスターが担当していて、全編これがデヴィッド・フォスター節満載。たまにありがちな売らんかなとシングル・レコード集みたいなサウンド・トラックではなくて、歌モノは極力抑えた構成。よく映像にも合っているし、音楽だけでも楽しめる作品になっているのはさすがです。お茶目なことにジョン・ウイリアムズの『ジョーズ』の音楽を使っているところなんかは爆笑モノです(笑)。


【摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に(THE SECRET OF MY SUCCESS) 1986年 USA】
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by santapapa | 2006-03-30 23:35 | 洋画一般
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