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マクダル パイナップルパン王子

マクダル パイナップルパン王子

香港で大人気のアニーメーション、「マクダルとマクマグ」の映画第二弾『マクダル パイナップルパン王子』が本邦初公開になりました。公開を楽しみに指折り数えて待っていましたがな。



コブタのマクダルの住む大角咀(ダイコッチョイ)では都市再開発が進む中、古いビルなどがどんどん壊されていってマクダルの通う春田花花幼稚園も取り壊される予定です。マクダルは貧乏ゆすりがクセで、それがシングルマザーであるミセス・マクの悩みの種。ある日、旅行に出た2人。ハリー・ポッターのお話をせがむマクダルに、ミセス・マクは自分の作った「パイナップルパン王子」の物語を話し始めます・・・・・・。

謝立文(ブライアン・ツェー)の文章と麥家碧(アリス・マク)の絵のコンビによる絵本『マクマグ成年人童話』が原作なのだそうです。その後、テレビ・アニメーション『春田花花幼稚園 マクダルとマクマグ』で大ブレイク。キャラクターは街にあふれ、今年初めには3本目の映画化もされたとのこと。周星馳(チャウ・シンチー)の『喜劇王』にもキャラクターのウンチ怪人が出ていましたし、『1:99 電影行動』でも『マクダルの1:99』として出演していましたね。

絵柄は見ての通り、キュートでかわいいコブタが主人公です。いやあ、なかなかかわいくてお気に入りです。なごみますなあ。そしてお話は大人の童話というか、かなりスコーンっと飛んだシュールでナンセンスなギャグがちりばめられています。幼稚園で教えるマルチ会話術が食堂での客と店の苦情のやりとりだったり、ミセス・マクの短気が短いお話だったり、やたらまくし立てる医者や店員だったり、サッカー中継のやりとりがおかしかったりと、なかなかひねりが心地よいですね。それだけでなく、最近は年取った涙もろくなった私にはホロリとさせるシーンもいくつか。ピザ・ファイとの別れやパイナップルパン王子の話が終わった後の母子など、妙に心がかきたてられましたね。

香港のアニメーションというと、私にとっては徐克(ツイ・ハーク)製作・脚本(犬の声で出演も(笑))の『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー スーシン』でこれがまた好きだったりするのですが、その映画と同様2Dと3Dを混ぜたような絵の構成で、意図的に両者が混ざらないようにしているのか違和感を全面に押し出しているようです。そこがまた独特の雰囲気をかもし出してみました。

ちなみに声を当てているのは、ナレーションと大人になったパイナップルパン王子を劉徳華(アンディ・ラウ)、ミセス・マクを呉君如(サンドラ・ン)、園長やお医者さんその他が黄秋生(アンソニー・ウォン)です。最近は『インファナル・アフェア』などのおかげなのか、あまり怪優と呼ばれなくなってきたアンソニー・ウォンですが、向こうの山寺宏一にでもなるのでしょうか(笑)。

ちなみにパイナップルパンって何のことか判らなかったのですが、日本のメロンパンに似たものらしく、パイナップルは入ってないそうです。確かにメロンパンにメロンは入ってないし、ウグイスパンにウグイスは入ってませんわな(入ってたら引きますが(苦笑))。

音楽もスタンダード、クラシックなどのアレンジ具合が楽しくセンス溢れる映画です。ラテン男にとってはチャチャやボレーロの曲があったのが嬉しいのですが、このあたりって今の子供からすればおじいちゃん・おばあちゃんの世代がダンスをしながら聴いた曲ですよね。ボレーロのアレンジによる「Historia de un Amor(ある恋の物語)」なんか、子供の頃から家でもよく耳にしていた曲で、身体の奥底からノスタルヒアがこみ上げてくる曲でたまらないです。

日本や、USAや、フランスなどとはまた一味違った香港を感じさせてくれるアニメーションで、このシリーズの第一弾の上映も待ち遠しいです。


『マクダル パイナップルパン王子』 公式サイト
マクダル パイナップルパン王子


『マクダル パイナップルパン王子』 スペシャルサイト


【マクダル パイナップルパン王子(麥兜・菠蘿油王子/Mcdull, Prince De La Bun) (2004)】
by santapapa | 2006-03-12 01:13 | 香港(中国・台湾)映画
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