ハリーとトント

Harry and Tonto

昨年1月に亡くなったアートー・カーニーの出世作。この作品でアカデミー賞の主演男優賞をもらっています。老人と年老いた猫の心温まるロード・ムービーです。



アート・カーニー扮する72歳のハリーは年老いた愛猫のトントとニューヨークのマンハッタンに住んでいたのですが、区画整理のためにアパートから強制的に立ち退きさせられます。仕方なくハリーはトントを連れて長男のバートの家に行くのですが、家庭内でのいざこざが絶えずシカゴにいる娘の世話になることを決心します。ところが飛行機に乗ろうとしたところ、猫のトントを乗せてもらえなかったために、バスに変更。ハリーとトントの長い旅路が始まります。

アート・カーニーは姿もさることながら声がいいですね。ハリーの矍鑠としていて前向きな姿勢は、歳を取ったらああなりたいなあと思わせる理想の姿のひとつです。

初恋の相手のダンサーに会いに行ったところ、彼女はもう健忘症が進行していて、ハリーをどうしても思い出せず他の人と間違えているんですよね。それでも一緒にダンスを踊るシ-ンは切なくも美しいシーンでした。また、公園で話していた仲間が物言わぬ姿になってからお別れを言うシーン、娘と湖のほとりで話しあうシーン、トントとの別れのシーン、そしてラストの猫を追いかけて海辺で砂の城を作る少女のそばに来るシーンなど、ひとつひとつのエピソードが後からじわっと思い出されてきました。

ハリーとジンジャーとノーマで車で移動しながらはしゃぐシーンで、ハーモニカとシンセサイザーがメロディのこの映画のテーマ曲が流れます。ビル・コンティのペンになるこの曲が好きで昔は繰り返し聴いていました。『ハリーとトント』の映画にピッタリの名曲だと思います。ガールズ・バンドの"Long Train Running"のライブ・シーンは謎でしたが(笑)、あれはあれで好きです。

立ちションで拘置所に入れられた時(笑)に、同室のアメリカン・ネイティブ(チーフ・ダン・ジョージ)に、猫のトントの名前の由来を「ローンレンジャーのトントからつけたんだ」というシーンも印象に残ってます。ご存知、ローン・レンジャーの中では頼れる相棒であったアメリカン・ネイティブのトントだったので、そう言ったのでしょう。でも彼は鬼警部アイアンサイドしか見てないんですよね(笑)。

決して派手さはないのですが、味わい深い何度でも見たくなる映画でした。

【ハリーとトント(Harry and Tonto) 1974年 USA】
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by santapapa | 2004-10-03 21:05 | 洋画一般
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