ジャングル大帝 (1997)

ジャングル大帝 劇場版

初の劇場版『ジャングル大帝』から31年、原作の第3部にあたる「月光石」の物語を松竹で映画化したものが1997年の『ジャングル大帝』でした。1989年に手塚治虫が亡くなって8年後のことです。



ジャングルの王者として君臨する白いライオン・レオ(津嘉山正種)とその妻・ライヤ(倍賞千恵子)の間に、男女2頭の子ライオンが生まれます。2頭はそれぞれルネ(柊美冬)とルキオ(椎名へきる)と名づけられました。そんな時、人間界ではハム・エッグ(立川談志)という胡散臭い男が未知のエネルギーを秘める月光石をジャングルで発見して、科学技術庁に持ち込みます。エネルギー危機に直面した地球を救う可能性のあるこの石を探すために、科学技術庁ではハム・エッグに庁員のラムネ(松本保典)を補佐につけてジャングルに詳しいヒゲオヤジ(富田耕生)と合流して、月光石のあると言われる幻のムーン山を目指しました。横暴なハム・エッグは部下を使って車の通る道を切り開くために木々を焼き払い、動物たちを殺し始めるのを見るに見かねて、ヒゲオヤジはラムネとともに隊を離脱します。ところが大火災が原因となってジャングルは大雨が降り大洪水によって多くの動物が流されて・・・・・・。

既にもう9年前の映画になってしまいましたが、昔は漫画映画と呼ばれていたアニメーションの進歩はすばらしく、色彩、動き、映像、音、音楽ともに、非常にクオリティの高い作品になっています。昔の作品では目を見張ってため息をついたほどの壮大なオープニングも、映像・音楽のアレンジともに新しく変えていますが、始めてみた時のインパクトはさすがにないものの、そこだけでも独立して見たくなる決して遜色のない出来になっています。惜しむべくはレオの顔があまりレオらしくないことでしょうか?(苦笑) 「君、ちょっと変わった?」って感じで(笑)。

今回は長い原作の後ろの部分をピックアップしている以上仕方が無いのでしょうけど、冒頭、ルネとルキオ生まれてから以降はとてもつらい目にあう展開が続き、幼少の頃からレオを見て育った者にとっては無条件にどっぷり感情移入しているだけに、見ていてとてもつらかったです。

音楽はもちろん冨田勲。『風の又三郎 ガラスのマント』で久々に映画音楽の世界に復帰した冨田勲ですが、ここでもクオリティの高いもうひとつの冨田勲の世界を展開しています。それだけにラストはジャングル大帝のテーマで終わったままにしてほしかったですね。私にはあの後、松たか子が歌う日向大介の曲がタイアップで入れられているのが、どうにも浮いて余韻がなくなるような気がするのですけど。

ちなみにレオの父・パンジャはジャパンから、レオの子・ルネはネル、ルキオはオキルからきているそうです(笑)。昔の西鉄時代にはなかったことですが、今の西武ライオンズはレオがマスコット・キャラクターになっているのも嬉しいですね。そういえば、かつてヤクルト・スワローズがサンケイ・アトムズだった頃、鉄腕アトムがマスコット・キャラクターなっていたのは、31年前の『ジャングル大帝』が公開された頃でした。


【ジャングル大帝 1997年 日本】
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by santapapa | 2006-01-24 01:30 | 邦画
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