ジャングル大帝 (1966)

手塚治虫アニメワールド 虫プロ・手塚治虫 長編3部作

一説によれば『ライオン・キング』の元ネタ(ディズニー側では「偶然の一致」として否定)だとも言われる手塚治虫の『ジャングル大帝』。その最初のテレビ・シリーズの放映中に夏休み映画として東宝が製作・全国公開した映画です。同時上映は東宝お得意の特撮映画で『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』。



中央アフリカのジャングルで、動物界の救世主として君臨していた白い獅子・パンジャ(緑川稔)。ところがパンジャは人間の罠にかかって殺されてしまいます。身ごもっていた妻ライオンのエライザは、人間の手によって貨物船に乗せられますが、船の中で子供を生んでレオ(太田淑子)と名づけます。エライザはレオに父の事を話して聞かせると、船から逃げてアフリカに戻るように諭します。幼いレオは魚たちに助けられながらアフリカへと泳ぎ戻ります。ジャングルでは偉大なパンジャの息子が戻って来たと歓迎の祭をしますが、バッファローのサムソンが捕らえてきた動物を生贄にすることを拒否したレオに、動物たちは親父と違って臆病者らしいと白い眼で見て、出て行くことを余儀なくされます。そんなレオをマンドリルのマンディ(勝田久)、オウムのココ(田村錦人)、カモシカのトミー(明石一)は励まします・・・・・・。

当時テレビで放映していた連続テレビ漫画『ジャングル大帝』の第1話「行けパンジャの子」と第41話「さすらいの死神」を中心に、その間に放映されたシーンを取り混ぜて1本の完結した映画にしています。音声はすべて映画のために新録音。また、第41話の部分はテレビ放映時期と近かったので映画のために録音を行い、それを編集してテレビに回したとか。

『ジャングル大帝』の最初のテレビ・シリーズというのは1965年10月から1966年9月まで放送され、日本で初めてのカラー・テレビ漫画として話題にもなった作品でした(提供はサンヨー電機)。我が家はこの後もしばらく白黒テレビでしたから(苦笑)、カラーの番組(番組の最初に画面端に「カラー」との表示。また新聞のテレビ欄にも「カラー」はその旨、記号で表示)と言われても白黒でしか見ることができませんでしたが、白黒でも感じる「色彩感」があったように思います。それが劇場版ではカラーで大画面・大音響ですから、その迫力は相当なものがあったのではないかと思います。特にオープニングの映像と音楽!今でこそ古く感じますが、映像も音楽も壮大な大地を感じさせてくれて、色彩感あふれるあのオープニングはそれだけでひとつの名作ではないかと私は思っています。

テレビの方もそうでしたが、ストーリーはミュージカル仕立てになっていて随所に歌がはさまります。ヴォーカリーズで歌われるオープニング、そしてオープニングの変奏によるエンディング、ミュージカルの曲やサウンド・トラックのすべての作曲を担当したのが冨田勲。すばらしい楽曲の数々と色彩感溢れる実に豊かなアレンジが、この映画をすばらしいものに押し上げているのは言うまでもありません。自分自身、幼少の頃にこういう豊かな音楽を知らず知らずのうちに聴いて育ったことが自分の原点であるとも思っています。テレビのエンディングにも使われていた弘田三枝子が歌う「レオのうた」がクライマックスで流れますが、これも思い入れも深くかっこいい曲でした。今聴くと、歌の後ろで流れるホーン隊のアレンジなんか聴いていて燃えますねえ。

DVDには当時の縮小版パンフレットが入っていますが、当時は表紙以外の写真は白黒、そしてビデオもなかった時代ですのでストーリーが詳細に最後まで書かれていたんですね。正直、しばらくぶりに見るまで細かいストーリーはほとんど忘れていたのですが、今の目で見ていろんな部分で古さはかなり感じるものの、レオの出生から初の苦難を乗り越えるまでをまとめた話としてはまあまあではないかとは思いました。思い入れが深い分、冷静に見れないところもかなりあるのですけど(笑)。


【ジャングル大帝 1966年 日本】
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by santapapa | 2006-01-23 00:28 | 邦画
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