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ホテル・ハイビスカス

ホテル・ハイビスカス

20年ぐらい前に大好きで、雑誌掲載を楽しみに読んでいて単行本も買った仲宗根みいこの『ホテル・ハイビスカス』。近年映画になっていたのも知らず、DVDになって初めて知った次第です。



沖縄のとある場所にあるホテル・ハイビスカスは、寂れた外観でお客さんが泊まれる部屋はひとつしかありません。ある日、行き倒れの青年・能登島(和田聡宏)はホテル・ハイビスカスに運び込まれて、しばらくそこに滞在することになります。ホテル・ハイビスカスを経営している一家は、くわえタバコのおばぁ(平良とみ)にビリヤードが得意で暇なビリヤード場も営んでいる父ちゃん(照屋政雄)、バーで働きながら一家を支えている母ちゃん(余貴美子)、ボクサーを目指している黒人とのハーフのケンジにぃにぃ(ネスミス)、白人とのハーフのサチコねぇねぇ(亀島奈津樹)、そして末っ子で、お転婆ざかりの小学校3年生の少女・美恵子(蔵下穂波)といった個性的で「インタァナソナル」な面々。腕白な美恵子は森の精霊・キジムナーを探したりと、毎日元気に動きまわります・・・・・・。

元気いっぱいの映画です。「はじまり」、「フェンス」、「太陽(てぃーだ)母ちゃん」、「美恵子の大冒険」、「お盆どぅーい」というタイトルのついた5つの部分からなっているのでオムニバス形式みたいですが、それを意識しなくても続いた話としても見ることが出来るように作られていました。

思い出したことがふたつ。ひとつは子供の頃はなんかやたら元気いっぱいに遊びまわってて、大人から見たらくだらないような歌もよく歌っていたなあということですね。私の場合、なんだか昔を思い出してしまうような場面やシチュエーションが随所に出てきて、遠い目になってしまうこともしばしでした。武満徹の「小さな空」という詩も曲も大好きな歌があるのですが、それを思い出してしまうような映画でした。

もうひとつは、私はやはり小さい頃基地の町に住んでいたのですがジェット機の音ですね。二重窓で空調が効いた小学校に通っていたのはジェット機の騒音対策で補助金が出ていたからでした(元は国の税金から)。当時は毎日飛んでいるジェット機が、やがてベトナムに運ばれて戦争をしに行くのだと教えられました。この映画でも前半は雷の音だと思っていたのが演習の爆音、そして時折ジェット機の轟音が通り過ぎます。

腕白な美恵子を中心にハイ・テンションなストーリー運びでそつなく流れるような映画ですが、なんだか何度も見たくなる映画でした。「まやー食いおばぁ」にキジムナーの事を訊きに行った時のシーンや、多恵子と会うシーンなんかは特に印象に残っています。


【ホテル・ハイビスカス 2002年 日本】
by santapapa | 2006-01-20 23:54 | 邦画
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