宇宙人東京に現わる

宇宙人東京に現わる

L・O・V・E、ラブリー、パイラ人!



ある夜、城北天文台で雲の切れ間に不思議な形をした大きな光体が静止して輝いているのを発見してから、世界中で謎の発光体の目撃例が増えます。やがて謎の円盤は地球に近づき水中に落下するのが目撃されて、河口湖でキャンプをしていた学生は、湖から現われた人間大のヒトデのような形の謎の生物と遭遇します。同じ頃、同じような生物が芝浦ふ頭や琵琶湖畔の料亭にも現れるではありませんか。そしてその生物は帝都劇場で公演する新人歌手の青空ひかり(苅田とよみ)のステージにも現われて大騒ぎになります。はたして謎の生物の正体は?そしてその目的とは・・・・・・。

日本SF映画界初の総天然色映画です。島耕二監督が「科学的な筋立てと原水爆禁止のテーマを盛り込みたい」といって作られた映画ですが、今現在の目で見るといろんな要素からなんとなくほのぼのしたSF映画に(笑)。見ようによっては『未知との遭遇』や『ET』や『アルマゲドン』みたいな要素も含んだ映画かも。あくまでも見ようによってはですけど。そして、ほのぼのしています(笑)。

この映画に「色彩指導」という立場で関り、パイラ人のデザインを担当したのは「芸術は爆発だ!」で有名な世界に冠たる故・岡本太郎画伯。この映画の3年後の1959年には親交のあった千葉茂が近鉄パールズの監督に就任した際に、千葉のニックネームにちなんでチーム名が近鉄バファローズになるのですが、同時にバファローズとしての球団マークをデザインしたのも岡本太郎。そして、1970年に開催された日本万国博覧会の中心に据えられたシンボルの太陽の塔のデザインは有名です。

パイラというと打楽器星人にはティンバレスの胴打ち奏法やそのリズム・パターンのことで親しみのある名前(語源はスペイン語で「鍋」)ですが、パイラ人もなかなか親しみのある風貌をしています(笑)。この巨大ヒトデの真ん中に大きな一つ目があるようなシンプルなデザインの上、見た感じがどう見ても布の着ぐるみを着ている感じ(大爆笑)。ホッシー一家(横浜ベイスターズのマスコット。ホッシー、ホッシーナ、ホッシーゾ、ブラック・ホッシーがいる)も真っ青です(笑)。ちょっとなさけないというか、意外にかわいいといいうか。

ちなみにポスターやジャケットでは巨大化したパイラ人があたかも東京を破壊しに現れているようなデザインですが、映画の中では巨大化もしなければ性格もいたって温厚。なにしろ地球を救いに来るのです、このパイラ人。宇宙道徳に則って地球人に警告しに来るのですが、地球人の前に姿を現すと(湖で釣りの最中に出てきたり、覗きと間違えられるような出方をしたり、ミュージックホールの天井でタップダンス見てたり(笑))、その場にいた人たちに悲鳴をあげて驚かれます。まあ、普通そうですわな。しかし、パイラ人としては「顔の真中に出っ張りがあるような醜悪でかわいそうな種族」(人間のこと)に、醜悪極まりないものを見たような反応をされては面白くありません。普通なら怒って地球を破壊したり帰ったりしそうですが、それでもお人よしでかつお節介が好きなパイラ人はこともなく言います(パイラ語で)。

「地球に入れば地球に従えという説もある」

そうして結局言い出しっぺのパイラ人がいやいやながら「醜悪な」(←パイラ人基準)地球人の姿に変身して、驚かさないようにメッセージを伝えることになりました。パイラ人、あんたら本っ当~~にいい奴だよなあ(笑)。

同じ1950年代に作られた『地球の静止する日』と同じようなテーマを扱っているにも関らず、このほのぼとした雰囲気はお国柄の違いなんでしょうか?ちなみにタイトルは『宇宙人東京に現わる』ですが、東京以外に頻繁に現れています。

これを見ていて思わず、「パイラ人のぬいぐるみがほしいなあ」と思って探してみたところ、見つかりはしませんでしたが、個人による製作ページがありました!(爆笑) すばらしい!採寸図も乗っているので器用な人は自由な大きさのパイラ人のぬいぐるみと一緒に生活できますな(笑)。

「お裁縫パイラ」


【宇宙人東京に現わる 1956年 日本】
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by santapapa | 2006-01-12 23:07 | 邦画
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