ドリトル先生不思議な旅

Doctor Dolittle

昔、犬を飼っていた頃、言葉がわかればいいなあとどんなに思ったことか知れません。犬語は習得できなかったので犬に言葉を教えようとしましたが、それも挫折(笑)。そうして今に至ってます。



1845年、イングランドの沼のほとりのパドルビーに動物の言葉が判る不思議な獣医ドリトル先生(レックス・ハリソン)が住んでいました。
ネコの餌売りを生業としているマシュー(アンソニー・ニューリー)は、怪我した雄ガモを見つけたのをきっかけに、トム・スタビンズ少年(ウィリアム・ディックス)を連れてドリトル先生の所に連れて行き、そこからドリトル先生との交流が始まります。翌日、ベロウズ将軍(ピーター・ブル)の老馬トグルがひとり一頭でドリトル先生を訪問して、馬語で目が霞むと言い、ドリトル先生は即座に老眼と判断、老眼鏡をかけさせます。ところがそこに、ベロウズ将軍が姪のエマ・フェアファックス(サマンサ・エッガー)を連れて怒鳴り込んできます。ベロウズ将軍はドリトル先生を馬泥棒と誤解したのでした。ベロウズ将軍は動物たちに追い払われて、エマはドリトル先生との口論で腹を立てて帰ってしまいます。そんな時、友人でアメリカン・ネイティブの友人で博物学者のロング・アローから双頭の珍獣オシツオサレツが贈られてきます。ドリトル先生は海の大カタツムリを探すためにオシツオサレツの協力で、サーカスで旅費を作ることに。その頃、サーカスの中で夫アザラシ恋しさのあまりノイローゼになった雌アザラシを診察したドリトル先生は、そのアザラシを海まで運んで逃がすのにショールで人間に変装させて、海に放してあげました。ところがそれを目撃した人が人を海に投げ落としたと誤解、ドリトル先生は殺人犯ろして逮捕され、法廷に立つことに。なんとか無罪になったドリトル先生はカレイ号という船を買って、マシュー、トム、エマ、そしてなじみの動物たちと大カタツムリ探しの航海に出ます。ところが船は大嵐にあって大破、難破したドリトル先生一行は・・・・・・。

ヒュー・ロフティングの童話『ドリトル先生』のシリーズから、いろんなエピソードをかいつまんでミックスして作られたミュージカルです。なんか数年前に『ドクター・ドリトル』なる映画もありましたが、あれは私の中ではなかったことに(苦笑)。原作のヒュー・ロフティング自身による挿絵とはちょっとイメージが違いますが、レックス・ハリソンが人のよいイギリス紳士を演じていて、これはこれでイメージが合いました。アンソニー・ニューリーも地味ながらいい演技で脇を固めていました。

また動物たちも名演。原作でのレギュラー・メンバーをはじめ、とにかく動物が次から次にいろいろ。しかもたくさん出てきて、動物好きにはたまりません。しかも、双頭の珍獣オシツオサレツや大カタツムリ、巨大なルナ蛾など、原作オリジナルの想像上の生き物もふんだんに出てきます。まさかそういうものまで出すとは思っていなかったので、子供の頃はウケてしまいましたね。特筆するような特殊効果はありませんが、それでもこの年(1967年)のアカデミー賞特殊視覚効果賞を取っています。クジラが島を押して行くシーンなんかは好きでしたね。また地味ながらいい曲も多く、「Talk to the Animals」はやはりこの年のアカデミー賞歌曲賞を受賞しています。

子供の頃原作の『ドリトル先生』シリーズが大好きで、むさぼるように読んだものです。何度も何度も読んだのでいろんなシーンを憶えていますし、自分の中では心の宝物のひとつです。日本では井伏鱒二が翻訳をしていました。近年、この『ドリトル先生』シリーズの中での表現に現代の目で見れば差別的表現があるとして攻撃をうけていたりしています。UKやUSAでも出版される巻が限定されていたり、図書館では扱われていなかったりもしています。差別的表現というのはそれはそれで的を射たものがあるのかもしれませんし、それによって傷つく人がいれば、それはなくしていくべきことだとは思います。ただかつては文学として評価されていたものに、そういう言葉があればやみくもにすぐにそれを見えないところに隠すのではなくて、それはそれとしてきっちりと語り合い、また何がどういけないかを教えていく場を作らなければいけないのではないかと思うのです。私はまだ読んでいないので未確認ですけど、人づてに聞いた話だと現在の『ドリトル先生』シリーズには巻末にそういう件について長い解説がついているそうです。


【ドリトル先生不思議な旅(Doctor Dolittle) 1967年 USA】
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by santapapa | 2005-12-05 23:58 | 洋画一般
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