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大脱走

大脱走

「逃げる」というのは非常にスリルのあるテーマのひとつですが、その中でも出色の出来の映画が1963年の『大脱走』。そのタイトルに恥じない面白さです。



第二次世界大戦中のドイツでは、何度も脱走を繰り返す連合軍の捕虜たちに手を焼いていました。そこで脱走常習犯たちを脱走不可能と言われる収容所を作ってそこに押し込めます。ところが捕虜たちも不屈の魂の持ち主。それぞれ得意技を持ち寄って、ドイツ軍の兵士の監視の中、実行不可能と思われる脱走計画を進めていきます・・・・・・。

実話を元にした映画だそうですが、死を賭けた脱走というテーマがスリルと緊張感を生み出します。ドイツ軍との知恵の勝負。仲間たちで協力して密かに仕掛けをしていく様子。いつ、発覚するかわからない脱走計画。敵味方含めてそれぞれの登場人物が粒だって描かれていて、それぞれに感情移入してしまい、3時間近くの映画があっと言う間です。決して能天気な明るさに満ちた映画ではなくむしろ暗い部分もあるのに、見た後に心の底からわいてくるようなものを感じますね。

出演した俳優もスティーヴ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、リチャード・アッテンボローなど、そうそうたる面々で、これで脚本もよければスタッフもいいのですから面白くならないはずがありません。調達屋のヘンドリーの扮するジェームズ・ガーナーなんか、いい味だしていましたねえ。

今は亡きエルマー・バースタインの書いたテーマ曲、「大脱走のマーチ」は憶えやすいメロディで単独でもよく演奏されたりします。この口笛でも吹きたくなるような軽快なテーマ曲が、映画を支えています。収容されたメンバーによる讃美歌「Joy ti the World」や「YAnkee Doodle」などの、捕虜の誰しもが共通に持っている歌も印象的でした。

40年以上前の映画ですが、まさに傑作と呼ぶべき映画だと思っています。


【大脱走(THE GREAT ESCAPE) 1963年 USA】
by santapapa | 2005-11-01 23:58 | 洋画一般
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