白蛇伝

白蛇伝

1958年に東映で製作された、総天然色で80分の長編漫画映画としては記念すべき本邦第1作目の映画です。お話の原作は中国の民話「白蛇伝」を題材とした恋の物語になっています。



時は宋の時代、中国の西湖のほとりに住む許仙は、ある時、美しい娘・白娘を見かけて恋に落ちます。白娘の正体は、許仙が子供の頃にかわいがっていたのに周りの大人の反対で泣く泣く放した蛇の化身・白蛇の精でした。ところが僧侶の法海は白娘の正体が妖怪変化である白蛇の精だと知って、許仙を救うつもりで白蛇と法力で対決します。白娘は法海との戦いに敗れて白蛇に戻りますが、許仙に正体を知られまいと幻を崖から身投げさせたところ、なんと彼女を追いかけて許仙は崖から落ちて亡くなってしまいます。白娘は愛する許仙を生き返らせるために宇宙のかなたの龍王星の龍王の元へ飛ぶと、妖術を捨てて人間になることを条件に命の花をもらおうとします・・・・・・。

50年近く前の漫画映画(まだアニメーションとは呼ばれていませんでした)、ましてや本邦第1作ですから、技術的には未熟ですし、また現代の話の進め方からしたらずいぶんとゆっくりした感じに見える映画かもしれません。しかし、実に細部にまでていねいに作られたスタッフの情熱が充分に伝わってくる名作だと思います。動きや表情がとても魅力的な映画ですね。もちろんディズニーなんかも参考にしているのでしょうが、最初に手がける作品として「白蛇伝」という素材を採り上げたのは充分成功であるといえるでしょう。

声を当てているのが森繁久彌と宮城まり子のおふたりで、ナレーションも含めてすべての配役をこなしています。芸達者なおふたりだけあって、あまりそんなことを意識しないで見ることが出来ます。また、全編通してフル・オーケストラの音楽が流れる構造にしていることも、かなりの力の入れ方が判ります。却って今の日本ではこういった工程で作品を作ることは難しくなっているのではないでしょうか。今でも人に見てほしいアニメーション・・・・・・もとい、漫画映画の1本だと思います。


【白蛇伝 1958年 日本】
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by santapapa | 2005-10-10 00:19 | 邦画
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