ペーパー・ムーン

ペーパー・ムーン

「Over the Rainbow」の作曲家ハロルド・アーレンと作詞家エドガー・イップ・ハーバーグ、それに作詞家ビリー・ローズが1932年のブロードウェイ・ミュージカル『The Great Magoo』のために書いた曲「If you believed in me」は、翌年『Take a Chance!』という映画で「It's only a Paper Moon」とタイトルを変えて使われました。その後、ジャズのスタンダードとなりますが、この歌詞の内容を元にピーター・ボグダノヴィッチが映画化したのが、『ペーパー・ムーン』です。



1930年代のUSA、母子2人で暮らしていた9歳のアディ(テイタム・オニール)は、交通事故で母親を亡くします。昔、酒場で知り合いアディの母と憎からぬ仲だったモーゼ(ライアン・オニール)は埋葬の場に出席したところ、成り行きでアディをミズーリの叔母の元に連れて行くはめになってしまいます。ペテンまがいの手段で聖書を売りつけるのを生業にしていたモーゼは転んでもタダでは起きない性格、アディの母を轢いた男の兄を訪ねて恐喝まがいの手で200ドルをせしめて自分のボロ車を新車に買い換えます。後はアディを1人で汽車に乗せてミズーリに送り出せばおしまいと思ったものの、モーゼが200ドルをせしめるのを盗み聴きしていた利発なアディは、200ドルは自分のお金だから返さないとみんなに聴こえるように騒ぐと主張。既に200ドルを新車に使ってしまったモーゼは、仕方なくアディを連れて聖書の子連れセールスをしながらお金を稼ぎ、ミズーリへ向かいます・・・・・・。

1973年の映画ながら1930年代の雰囲気を出すためにモノクロで作られた映画ですが、実に雰囲気にマッチしています。聖書を売るペテン師がモーゼ・プレイ(祈る方のPray)という名前もかなり笑えますが、モーゼ役のライアン・オニールとアディ役のテイタム・オニールが、実に見事な演技で役にはまって見せてくれます。この2人が親子かどうか微妙だという関係を演じているところがまた面白いです。テイタム・オニールはこの映画でアカデミー助演女優賞を受賞したのも、さもありなんと言った感じです。頭がよくまわり、おしゃまで、そして母娘2人で孤独に育った少女を演じているのですが、びっくりするほど自然で違和感がありません。そして何よりもモーゼとアディの2人が旅の中で会話と行動を通じて、だんだんいいコンビになっていくのが心に染みてきますね。お気に入りのセリフや場面は多くありますが、ラストのシーンは何度見ても判っていても、思わずホロリとしてしまいます。

見た後にとても温かい気持ちになって、何度も見返したくなる映画です。


 Say it's only a paper moon
 Sailing over a cardboard sea
 But it wouldn't be make believe
 If you believed in me


【ペーパー・ムーン(Paper Moon) 1973年 USA】
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by santapapa | 2005-10-03 23:53 | 洋画一般
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