モスラ (1961)

モスラ

蛾(moth)の怪獣であるモスラは主役としての映画もいくつか作られて、また多くの怪獣映画に出演していますが、1961年のこの映画が初出演で、またモスラ出演映画の最高傑作です。



南太平洋を航行する第二玄洋丸は台風にまこまれて沈没、船員の一部は無人島と思われていたインファント島で助かります。帰国した船員からインファント島には原住民がいることを聞き、日本とインファント島で核実験を行なっているロリシカ国とでインファント島共同調査隊を送り込みます。そこで見つけた身長30cmぐらいのふたごの小美人姉妹(伊藤ユミ・伊藤エミ)をネルソン(ジェリー伊藤)がさらい、見世物として興行に出します。ふたごの小美人姉妹の歌声は遠くインファント島の神殿の中にあるモスラの卵にまで届き、孵化したモスラの幼虫は歌声を求めて海を渡ります・・・・・・。

『ゴジラ』から6年。東宝スコープ、総天然色を謳った東宝の怪獣ファンタジー映画です。当時人気作家だった中村真一郎・福永武彦・堀田善衛の3人が「別冊週刊朝日」に連載したリレー小説「発光妖精とモスラ」をタイアップの原案としているそうです。幼虫から蛹化、羽化という変態を行う怪獣というところが新しい感じです。1960年代には桑の木やカイコは身近な存在で、養蚕業があったり観察目的で飼うこともあったので、ある意味当時の人には「身近な怪獣」であったのかもしれません。

モノクロ映画に比べて特殊撮影がごまかしにくい総天然色映画ですが、モスラの幼虫が1958年に建った世界一の東京タワーに繭を作るという当時としては非常にインパクトのある映像、モスラの成虫が飛ぶ姿に都市のミニチュアなど、カラー時代にふさわしい特殊撮影になっています。

人間側の主役の「スッポンの善ちゃん」こと日東新聞記者・福田善一郎に、この年『世界大戦争』にも出演したフランキー堺が扮しています。コミカルとシリアスを混ぜた絶妙の演技は、さすがはフランキー堺ならではのもの。福田善一郎という名前は「発光妖精とモスラ」の3人の名前からとって作ったそうですね。

また当時人気絶頂だった一卵性双生児のボーカル・デュオ、ザ・ピーナッツの伊藤ユミ・エミ姉妹が出ているのも嬉しいですね。ストーリーからすると、ザ・ピーナッツの出演ありきから考えられたような気もします。2人がモスラを呼ぶ「モスラの歌」は非常によく知られています。作曲は「阪神タイガースの歌(六甲颪)」、「栄冠は君に輝く」などで知られる古関裕而で映画全体の音楽も担当しています。作詞は由起こうじ。実は製作の田中友幸、監督の本多猪四郎、脚本の関沢新一の連名によるペン・ネームなのだそうで、中国語や英語などの案の中から最終的にインドネシア語で決定したのだそう。「新潟大学で学ぶはじめて学ぶ外国語」のサイトにインドネシア語での歌詞の大意が書いていました。

数ある怪獣映画の中でも特に印象に残る1本でもあります。


【モスラ 1961年 日本】
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by santapapa | 2005-10-02 21:57 | 邦画
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