北京原人の逆襲

北京原人の逆襲

特撮監督の有川貞昌さんが22日に肺がんで80歳でお亡くなりになったそうです。1954年に初代『ゴジラ』で円谷英二の元で特技・撮影助手として参加。その後、テレビでは1966年の『ウルトラQ』、映画では1967年の『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』で特技監督してデビューして、多くの特撮を手がけました。ここで採り上げた映画でも、『潜水艦イ-57降伏せず』では特殊技術、『世界大戦争』では特技・撮影を担当しています。テレビでは前述の『ウルトラQ』以外にも特殊技術で参加した、『快獣ブースカ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』、『マイティジャック』、『怪奇大作戦』など、どれもなつかしいものばかりです。ご冥福をお祈りいたします。合掌。

   特撮映画人名録 特技スタッフ 有川貞昌






悪徳業者のルー(クー・フェン)はヒマラヤの奥地で北京原人が現れたとの噂に金にあるという匂いをかぎつけ、探検隊と共にヒマラヤ目指して出発します。探検隊の隊長は失恋で失意のどん底にあるチェン(ダニー・リー)。探検隊一行は道行の最中、険しい道や象や猛獣に襲われて難航します。死亡者や脱落者が出る中、チェンは密林の奥へ。そこに現れた巨大な北京原人に襲わて気絶します。気がついたチェンの前に現れたのはアウェイ(イヴリン・クラフト)という金髪の美女。彼女は20年前、赤ん坊の頃に墜落した飛行機の唯一の生き残りで、ずっと北京原人に育てられていました。一緒に暮らすうちにチェンとアウェイは愛し合うようになり、やがてチェンはアウェイと巨大な北京原人を香港に連れて帰ることにしますが・・・・・・。

このタイトルを見ると日本で作られた違う映画(苦笑)を思い出す人がいるかもしれませんが、こちらは1977年に香港のショウ・ブラザザーズで作られた映画です。ダニー・リー主演の『中国超人インフラマン』の2年後、1976年に『キングコング』がリメイクされるのを期に、香港版『キングコング』を作るべえということで作られた映画だそうです。版権などの関係で北京原人という設定になったそうですが、はっきり言って私は1976年版『キングコング』よりは面白いと思ってます。

ストーリーも『キングコング』のみならずイヴリン・クラフト扮する女ターザンな要素が多分に入っていてサービス満点。このイヴリン・クラフトさん、ナイス・バディな上に素直でかわいい感じで、ハヤカワ文庫の武部本一郎画伯が描くところのペルシダー・シリーズの表紙みたいな感じの鹿皮のセパレーツで、非常にセクシーで刺激的です。眼福眼福。『恐竜100万年』のラクエル・ウェルチに対抗できます(笑)。コメンタリーによればこの衣装は造型の方が作ったということで、本人の役作りの希望で下着はつけていないのだそうで。山奥のみならず香港の街もそのセクシーな姿で走り回り(服をもらっても嫌いで海に捨てちゃいます)、また足をヘビに噛まれてチェンが毒を吸い出したり、チェンと愛し合う所を北京原人に出歯亀されたり(苦笑)、サービスにこと欠きません。

もちろん、ヒマラヤから香港に帰るのにわざわざインドから船で行くとか、ツッコミどころもテンコ盛ですが、香港映画らしく力技で押し切っていくすがすがしさにあまり気になりません(笑)。

特殊撮影や造型は、有川貞昌特撮監督をはじめとした総勢11名の東宝特撮スタッフを日本から招聘して作っています。これがなかなかの迫力で、特にラストの香港破壊シーンは当時のレベルで考えると圧巻です。さすが特撮王国日本のスタッフならではと言えるでしょう。ちょうどこの時期の日本ではゴジラ映画もひと段落で休止中、テレビの特撮ものも下火になっている頃でもありました。


ちなみに原題は『猩猩王』で、なんだか猩猩というと酒好きというイメージがありますが、北京原人が酒を飲むシーンはありませんでしたな(笑)。


【北京原人の逆襲(猩猩王/The Mighty Peking Man) 1977年 香港】
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by santapapa | 2005-09-26 22:14 | 香港(中国・台湾)映画
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