ブラス!

ブラス!

ブラスとは真鍮のこと。転じて主に真鍮などで作られていた金管楽器のことを指します。吹奏楽は木管楽器も含めた管楽器を主に使いますが、ブラス・バンドというのは金管楽器が中心となっています。



1992年、イングランド北部ヨークシャー地方にある炭坑の町グリムリーは、町の主産業でもあった伝統ある炭坑の閉鎖問題で揺れていました。1881年に結成されて2度の大戦を乗り切った100年以上の歴史を持つ土地の名門ブラスバンドのグリムリー・コリアリー・バンドでは、バンドに人生の全情熱を傾けるリーダー兼指揮者のダニー(ピート・ポスルスウェイト)が、練習でメンバーに激しく活を入れています。今のメンバーはバンドの歴史上、初めて全英選手権に出場して決勝でのロイヤル・アルバート・ホールで演奏、しいては優勝を狙えると思っているだけに力も入ります。ところがメンバーのほとんどは炭坑で働いていて、先行きの不安に演奏に身が入らずに気もそぞろです。そんな時、ダニーの親友の孫娘のグロリア(タラ・フィッツジェラルド)が生まれ故郷のグリムリーに帰ってきます。男性ばかりのグリムリー・コリアリー・バンドに入った彼女にメンバーは色めきたち、特に子供の頃にグロリアが好きだったアンディ(ユアン・マクレガー)は気が気でありません。ところが、グロリアは炭坑会社側が炭坑の調査のためにグリムリーに呼んだ人だったのです・・・・・・。

とても地味でありながら、だんだんじわじわ、そして深くじんとくる映画でした。1917年に炭坑夫の余暇活動として結成されたバンである、グライムソープ・コリアリー・バンドの実話が元になっているそうですね。炭坑が舞台というと、『遠い空の向こうに』などを思い出しますが、こちらも大変印象的な映画です。特に私の場合は幼少のエネルギー革命の頃に筑豊炭田の変革の様子を肌で知っているだけに、人一倍思うものがありました。

やはり音楽を愛して、仲間と音楽を演奏していこうという映画はいいですね。音楽をやっていると他では得られない心の充実感を得ることが出来るのが不思議です。だからこそ、なかなかやめられるものではないのでしょう。

切々と現状を訴えるシーンやテリップと共にに「威風堂々」を演奏するシーン、教会でのピエロのシーンなど、印象的なシーンはいろいろとありました。ちょっと演奏の演技は疑問の残るような部分もなくはなかったのですけど。ダニーのために炭坑のヘッドライトをつけた姿で「ダニー・ボーイ」を演奏するシーンは、アレンジも含めて特に印象に残りました。もっとも映画だからいいものの、実際にやると結構周りに迷惑だとは思います(苦笑)。

おじいちゃんの形見の楽器を使ったり、自分の持っている楽器に悩んだり、自分の楽器の名前に誇りとこだわりをもつところとかも、細かい描写で好きです。特にユーフォニウムは名前を知らない人も多いし(笑)。


【ブラス!(BRASSED OFF) 1996年 UK】
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by santapapa | 2005-09-21 23:30 | 洋画一般
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