戦争と人間

戦争と人間

1970年に第一部、1971年に第二部、そして1973年に第三部が公開された邦画では20世紀最後の超大作になったと思われる映画です。



時代は昭和3年の5.15事件から、日中戦争、昭和14年のノモンハン事件までの111年間、軍国主義に突き進みやがて太平洋戦争に突入することになる日本。新興財閥である伍代家とその時代の人々の愛や野望に満ちたそれぞれの人間模様を軸に、動乱の歴史に翻弄される人々を描いています。詳しいあらすじとスタッフ・キャストの顔ぶれは日活.comのサイトを参照してください。また、DVD化とニュー・プリントの8月の東京での上映によって公式サイトもオープンしています。

1970年頃といえば、映画が斜陽産業として世間に認知されてきた時代です。1970年には営業不振の大映と日活が配給を提携して「ダイニチ配給」となってますし、数々の毀誉褒貶に彩られた大映の永田社長が、大好きで経営していたプロ野球の球団を手放して記者会見で号泣したのが1971年の初め、また、その1971年の夏ごろから日活は、一般上映の映画から離れていき、ロマンポルノ路線に移行します。

この『戦争と人間』はとてもそんな時代に作られたとは思えないような大作で、日本映画の底力を感じさせてくれる映画でした。戦争が泥沼化していく時の流れを縦軸にして、伍代財閥の人々を中心に非常な濃厚な人間の愛憎ドラマを繰り広げていきます。

一口に3部作といいますが、それぞれが3位時間以上というインターミッションを挟んだ前後編で、合計560分超。9時間半近くになります。また出演者も端役に至るまでオールスターキャストと呼ぶにふさわしい恐ろしく豪華な顔ぶれで、もちろん期待に違わぬ演技力で答えてくれます。現在ではこれだけの映画を作る情熱とそれを支える観客がいるかどうか。

さすがにこれだけ重厚で長時間の映画を一気に見ると精神的にも体力的にも疲れますが(苦笑)、それだけの価値がある超大作だったように思います。先月、待ち望まれていたDVD-BOXも出たそうで、大スクリーンではないにしても、邦画の金字塔のひとつでもあろうこの映画は機会があったら見てほしい映画です。


【戦争と人間 第一部 運命の序曲 1970年 日本】
【戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河 1971年 日本】
【戦争と人間 第三部 完結篇 1973年 日本 】
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by santapapa | 2005-08-18 23:51 | 邦画
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