ブレード/刀

ブレード/刀

カタナ、カタナ、カタナ~
 刀~を作~ると~
  ハガネ、ハガネ、ハガネ~
   鋼~がよく~なる~



遥か昔の暴力と殺戮が日常に吹き荒れる荒れ果てた時代。名高い刀匠(惠天賜/ウァイ・ティンチ)の娘リン(ソニー・スー)は年頃で、父の弟子であるテンゴン(趙文卓 /チウ・マンチェク)とチュタオ(陳豪/チャン・ホー)が気になっています。ある日、テンゴンとチュタオが仕事で町に出た時に、ひとりの僧が猟師たちに惨殺されたのを目撃します。チュタオは僧の仇を討とうとしますが師の刀匠に知られて仲間と共に罰せられます。刀匠は自分の後継者はテンゴンにすると発表し、それを聞いたチュタオと仲間たちは、その夜、武装すると僧を殺した猟師たちを討つためにでかけます。仲間を止めることができなかったテンゴンは誰にも告げずに鍛冶場から去ろうとしますが、偶然リンと乳母が彼自身の秘密を話しているのを聞いて、テンゴンは思わず師匠である刀匠を問い詰めます。実はテンゴンが小さい頃に亡くなった彼の父親は、空を飛べる全身刺青の男ルン(熊欣欣/シャン・シンシン)に殺されたこと、師匠の刀匠が大事に奉っていた折れた刀はその時に父が使っていたものであることを知ります。それによって復讐に燃えるテンゴンは刀を持って家を飛び出します。テンゴンの後を追ったリンは猟師のかけた獣用の罠にかかってしまい、彼女を助けようとしたテンゴンは右腕を切り落とされて崖下に転落、その後の行方は知れません。リンは駆けつけたチュタオたちに助けられますが、テンゴンを失って脱け殻のような日々を送ることに。見かねたチュタオはリンを連れてテンゴン捜しの旅に出ます。一方、重傷のテンゴンは村はずれに住む子供(チャン・ピクハ)に助けられて介抱されますが、リンを助けられずに右腕を失い生きる気力を無くしてしまいます・・・・・・。

かっこよさにシビレるアクション映画です。1976年に王羽(ジミー・ウォン)が主演した香港版座頭市『独臂刀』を徐克(ツイ・ハーク)がリメイクしたもので、元ネタを凌駕してないにしても遜色はありません。ちなみにちょど同時期に、趙文卓と熊欣欣は料理対決にもからんでいます(笑)。

90年も半ばの武侠ものなのに、「空を飛べる」のが適役のルンだけで、「空を飛べる男か」と驚くのがとても新鮮(爆笑)。ついつい、中国の達人は全員空を飛ぶのはデフォルトだと思ってしまっていたもんで(笑)。

この手の映画のオヤクソクである、とんでもないこと言う娘(笑)や、やたらと気の短い連中、出生の秘密と父の仇、バインダー式のテキストと超一流の先生方がついている訳でもないのに、読んで練習するとめきめき上達する武芸書なども盛りだくさん。傷ついたテンゴンを助けて行動を共にする「どろろ」みたいな名もない子供(実は女の子)は、出番が少ないながら存在感が光っていました。

見所はたくさんありますが、やはりラストの対決は2人のアクションに加えてカメラワークとカット割りも駆使した、息をもつかせぬすごい迫力の映像でした。チャンバラと言うと軽く聞こえてしまいますが、これぞ命をかけた対決という緊張感とスピード感がたまりません。また、その後のリンの独白による美しくも切ない映像のエンディングが対決シーンとの対比で、より強く情緒を残してくれました。

ツイ・ハーク監督にはこの頃のような映画をもっと作ってほしいなあ。そして、日本映画でも息をもつかせぬ殺陣が見たいなあと切に望みます。


【ブレード/刀(刃/The Blade) 1995年 香港】
[PR]
by santapapa | 2005-08-12 12:31 | 香港(中国・台湾)映画
<< 座頭市物語 レッド・ツェッペリン 狂熱のライブ >>