エスパイ

エスパイ

「SF」に入れるべきか、「邦画」に入れるべきか、「トホホ系」に入れるべきか悩んだこの映画。一応、SFということで許されたし。タイトルは『SΠ』だと思われる方がおられるかもしれませんが、エスパー(超能力者)+スパイ(間諜←最近あまり聞かない言葉)で『エスパイ』という造語で、原作は小松左京のSFです。



アメリカ合衆国とソビエト連邦が覇権を争っていた東西冷戦時代。世界各地で要人の暗殺事件が続発していました。その頃、密かにエスパイという秘密組織があり、超能力者が集まって犯罪者から世界を守ることを目的としていましたが、同時に悪が組織した逆エスパイの存在も判ってきます。エスパイの日本支部長・法条(加山雄三)は部下の田村良夫(藤岡弘)とマリア(由美かおる)に命じて超能力を持ったテスト・ドライバーの三木次郎(草刈正雄)をエスパイの一員として向い入れて、訓練を施します。そんな時、イスタンブールでポール(山谷初男)という男が重大な情報を握っているとの連絡が入って、田村とマリアは現地に飛びます。そこで、ふたりはポールから、逆エスパイがバルトニア首相暗殺を計画していることを聞きます。ところが、逆エスパイたちによってポールは殺された上、マリアまでがさらわれてしまいます・・・・・。

前の年に小松左京の大ベストセラー小説、『日本沈没』を映画化した東宝が味をしめて、同じく小松左京の小説を映画化したもの。当時は『長島茂雄 栄光の背番号3』と『伊豆の踊子』の3本立てだったとか。

原作は映画製作から遡ること10年の1964年に、漫画サンデー(現在もまだあるんですね~!)に山田風太郎の「伊賀忍法帖」と並んで週刊連載されていたそうです。連載当時はスパイ映画も全盛時代で、娯楽小説として作者も楽しみながら書いたというエピソードも聞いたことがあります。また、エスパーという言葉も『光速エスパー』、『オスパー』、『バビル2世』などで、青少年層の間では割と一般的でした。もっとも映画は予算や尺や諸々の関係上もあってでしょうか、原作をいろいろと改変していますけど。監督は福田純。『ハワイの若大将』、『コント55号』シリーズ、『惑星大戦争』、ゴジラでいえば『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』から『ゴジラ対メカゴジラ(1974) 』を手がけているといえば、大まかな傾向がわかる人もいるのではないでしょうか。

特に映画の中ではロケーションや特殊効果やアクション関係に、非常に予算がないのがひしひしと感じられる映像にとなって我々に訴えかけるために、トホホな気分を感じるのですが、その中で豪華キャストが異様に濃い面子なのにびっくり(笑)。

藤岡弘、由美かおる、草刈正雄、加山雄三、若山富三郎
熱いです(笑)。もちろん演技に力も入っていて、それがまた熱いです(笑)。小松左京のインタビューによれば、東宝はマリア役にと『エクソシスト』のリンダ・ブレアを考えていたそうなんですが交渉が難航、『同棲時代』を見ていた小松左京が由美かおるを推したとのこと。

それに加えて、主題歌を歌うのが尾崎紀世彦。山口洋子の詞に平尾昌晃が曲をつけたその歌のタイトルは、「愛こそすべて」(笑)。熱い名曲です。

ちなみにストーリーは困ったことに、なんだかすべてを越えて結局最後に愛が勝つみたいなものになってしまってます(苦笑)。で映画を見終わって唯一頭に残っているのが、由美かおる嬢のぷるるんだけだというのは、やはり映画のスクリーンから、それ以外をすべて忘れさせる念波かなにかが出ているのでしょうか?(笑) おそるべし、『エスパイ』。


【エスパイ 1974年 日本】
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by santapapa | 2005-08-02 21:36 | 邦画
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