栄光のル・マン

栄光のル・マン

今週末の土日、世界3大自動車レースのひとつである「第73回ル・マン24時間耐久レースがフランスのル・マンで開催されます。最近ではあまり語られることも少なくなりましたが、当時話題を呼んだこの映画が好きでたまらなかったという人も少なからずいるんではないでしょうか。



ル・マン24時間耐久レースに出場するために現地に着いたマイク・デラニー(スティーブ・マックィーン)はレース中に事故のために夫ピエロ・ベルジェッティを亡くしたモニカ(エルガ・アンデルセン)を見かけます。この年のル・マンでポルシェに乗るマイクの最大のライバルは、フェラーリを運転するドイツ人のエーリッヒ・ストーラー(ジークフリート・ラウヒ)でした。ル・マンには世界各国次々にレーサーたちが集まってきて、いよいよレースの当日。色彩鮮やかなのレーシング・マシンが全長13.5kmのサーキットのスタートラインに着きます。旗が振られた瞬間、全てのレーシング・マシンが唸りを上げて一斉にスタートしました・・・・・・。

カーレース映画の歴史的傑作ともいえるのが、この『栄光のル・マン』でしょう。ストーリーも少ないながらセリフもあるものの、全編を支配しているのは大変抑えた表現でドキュメンタリー・タッチの手法で過酷なカーレースを見つめるカメラ、そのレースに挑む男達の情熱とレースのために洗練され上げたレーシング・マシンの数々。今ではレースのテレビ中継が多く、もの珍しさは少なくなったかもしれませんが、すべてが車音痴である私が見てさえも、手放しに「かっこいい!」と叫んでしまうような浪漫を感じる見応えたっぷりの映画でした。語彙力が貧弱でうまく言えないのがもどかしいぐらい、全てが「かっこいい!」の一言に尽きます。人間ドラマも用意されていますが、むしろレーシング・マシンが主役である映画でもあるのかもしれません。

カメラ・ワークと編集が極めて理知的に見えるのですが、この映画のテンポに非常にあっています。そして耳を劈くエンジンの排気音が臨場感を大きく盛り立てます。冒頭のポルシェが美しい景色の中を走ってくる場面、そしてチェッカーフラッグが振られてからカメラが上空に引いていくまでのラストの場面がまた、この映画を非常に印象的な映画にしているように思います。

音楽は巨匠ミッシェル・ルグラン。思いの外音楽も少なく、冒頭の曲をはじめとしてレースの激しさとは対照的な優雅な曲など場面場面に流れる曲が、なお一層サーキットの光景を輝くように彩ります。対比の妙というのでしょうか。効果的な音楽の使いかたでした。


【栄光のル・マン(Le Mans) 1971年 USA】
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by santapapa | 2005-06-15 00:30 | 洋画一般
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