宇宙戦争 (1953)

宇宙戦争

『宇宙戦争』と言っても舞台は地球。今から100年以上の昔である19世紀の終り、ハノーヴァー朝のビクトリア女王がいた英国最盛期に書かれた小説が原作になっています。



ある日、ロス・アンジェルスの郊外に隕石が落下。見物人が集まる中で、フォレスター博士(ジーン・バリー)が調査に現れます。ところがその中から正体不明の光線が出て、人が焼き殺されてしまいました。思わぬ出来事に軍隊が出動します。全景を現した謎の宇宙船と交戦しますが、まるで軍隊は歯が立ちません。フォレスター博士は現場で知り合った科学者のシルビア(アン・ロビンスン)と逃げて、危険に遭遇しながらも研究室に戻ります。その間にも世界各地は宇宙船の攻撃で危機に瀕していました。遂に軍では宇宙船への攻撃に原子爆弾を使うことを決意。衆人の見守る中、原子爆弾は投下されます・・・・・・。

SFの祖とも言われるイギリスのH・G・ウェルズが1898年に出版した「The War of the Worlds」、邦題「宇宙戦争」を下敷きにした1953年の映画です。映画も今から50年以上も前ですが、原作はそのまた50年以上前の作品になっています。「宇宙戦争」はH・G・ウェルズの代表作のひとつとして長く読みつづけられ、1938年にはオーソン・ウェルズがラジオ・ドラマとして採り上げたりもしています。この時の有名な「騒動」は、後にUSAでテレビドラマ化されて日本でも放送されました。

SF映画となるとどうしても特殊撮影などは現代の眼から見て古臭さは否めないところですが、当時の作品として考えた場合、かなりレベルの高い特殊撮影だったと思われます。チョウチンアンコウとエイを合わせたような形の宇宙船のデザインが、非常に洗練されている気がします。また、軍の爆撃機として当時実際にあった全翼機であるノースロップYB-49が出ているのが、モダンな感じを出しています。光人社NF文庫の「異形機入門」を読んでいると、こういう変形飛行機が数々出てきて、先人の工夫と努力に感心します。三色カラーの宇宙人の偵察カメラは、今だと大型スクリーン・プロジェクターみたいに見えますね。

ストーリーの方もSFパニックものの王道を行く映画になっていると思います。ホラー映画の要素も少し入っていますね。お話としてはそれなりに面白く、古典的な名作だと思います。この映画がなければ、『マーズ・アタック!』もなかったかもしれません(笑)。


【宇宙戦争(The War of the Worlds) 1953年 USA】
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by santapapa | 2005-06-09 22:07 | 洋画一般
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