大統領の陰謀

大統領の陰謀

先日、「ウォーターゲート事件の極秘情報源の詳細報じる」というニュースがありました。ウォーターゲート事件といえば、今から33年前に起こった事件で、大統領の権威と信頼が大きい全米にとって歴史に残る大きな衝撃を与えた事件です。そしてまた、新聞のスクープがこの犯罪を暴いて大統領を辞任にまで追い詰めた事件でもありました。



1972年6月17日、ワシントンのウォーターゲート・オフィス・ビルの5階にある民主党全国委員会本部に5人の男たちが侵入したところを、警備員に発見されて不法侵入の現行犯で逮捕されます。当時まだ入社して間もないワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、この事件が起きてから7時間後に上司のハワード・ローゼンフェルド(ジャック・ウォーデン)に呼ばれ、同じポスト紙のベテラン記者カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)も、この事件に興味を示し、取材を始めます。最初はただの刑事事件だと思われていたのですが、取材を続けていくうちにだんだん政府が絡んでいるのではないかいう疑いが浮上してきます。ウッドワードとバーンスタインはワシントン・ポスト社内でこの事件の調査の続行を主張、政府筋の厚い壁に阻まれながら、謎の人物ディープ・スロート(ハル・ホルブルック)からの情報提供もあり、次第に隠された陰謀が暴かれていきます・・・・・・。

USAでは4年に一度、大統領選挙が行われていますが、共和党から出馬して1968年に大統領に当選したニクソンは、1972年には再選を目指して民主党の大統領候補指名のマクガバンを選挙を争うことになっています。ウォーターゲート事件はそんな中で起こった事件で、それを受けてニクソンは1974年の8月8日に大統領を辞任しています。この映画は早くもその2年後に作られました。ニクソンはその後1994年に亡くなるまで外交問題に詳しい人物とはされるものの、事件については風化せず、強い政治的影響力を持った発言や政界に派閥が残ったりというようなバカげたことはありませんでしたし、国民も許さなかったでしょう。

この映画はそのウォーターゲート事件という実話に基づいた映画で、それを暴いたワシントン・ポスト紙の記者ボブ・ウッドワードとカール・バーンスタインを中心にした物語です。もちろん映画なので作っている部分もあれば当時不明であった部分もあるのですが、根本に圧力に屈することなく真実と正義を追求する精神が一本まっすぐに通っていて見ごたえがある静かな力作です。ラブ・ロマンスもなく、銃弾が飛び交うこともなく、派手なアクションが炸裂するわけもなく、超能力やコネを持っているわけでもありません。取材の連続と緊張感、そして真実を刻むために響くタイプライターの音がとても印象的でした。確かサウンド・トラックの中にもタイプライターの音が入っていたと思います。ロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンを始めとして、周りの俳優も熱演しています。この映画を見て新聞記者を目指した友人もいます。

この映画を見た後は、『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』もどうぞ。ウォーターゲート事件をネタにした青春おバカ映画です。こちらの方はくれぐれも真剣に見て怒ったりしないように(笑)。


【大統領の陰謀(All the President's Men) 1976年 USA】
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by santapapa | 2005-06-05 00:06 | 洋画一般
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