努力しないで出世する方法

HOW TO SUCCEED IN BUSINESS WITHOUT REALLY TRYING

世の中には、所謂「HOW TOもの」という指南書が多く出ていますが、映画でも目を引くように「HOW TOもの」みたいな題名がついていたりすることがあります。古くはマリリン・モンローの『百万長者と結婚する方法 』、最近だと『10日間で男を上手にフル方法』などがその例でしょうか。



ビルの窓掃除をやっている青年フィンチ(ロバート・モース)は、ある日「努力しないで出世する方法」というペーパーバックを手に入れます。フィンチはその本の指示に従ってワールドワイド・ウィケット・カンパニーという大企業を訪れて、秘書をやっているローズマリー(ミシェル・リー)との出会いもあり、運良く就職することに成功します。配属されたのは社内のメール室。一所懸命仕事に打ち込むフィンチに、メール室のリーダーを25年務めて栄転が決まったトィンブル(サミー・スミス)は、自分の後任に就職間もないフィンチを推薦します。ところがフィンチは本の指示に従って、この役をビグリー社長(ルディ・バレー)の甥でなにかとその事を誇示するバド・フランプ(アンソニー・ティーグ)に譲ります。「会社全体の為を思ってバドに譲りました」と言うフィンチの言葉に好印象を持った人事部長のブラッド(ジョン・マイヤーズ)は、フィンチをちょうど空席であった企画推進部の課長に推します。さらにフィンチはビグリー社長の出身校や趣味を調べて、社長にに取り入りますが・・・・・・。

1961年にブロードウェイで公開されて以来、大ヒットして数々の賞も取ったミュージカルの映画化です。1995年には宝塚でも「ハウ・トゥー・サクシード」というタイトルで公演されています。脚本はエイブ・バローズ、作詞・作曲はフランク・レッサーで映画ではネルソン・リドルが音楽監督をしています。親しみやすいメロディにしゃれたビッグバンド・アレンジの伴奏でゴージャスな音楽になっていますね。歌以外にも、9時になって一斉に女性社員が席についてお化粧を始める場面など、映像のリズムも小気味良い感じです。

お話はお調子者のC調出世コメディで、後の『摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に』にもあるようなテイストの映画ですね。本に従って策を弄して出世を狙う分、多分にこすっからい感は否めませんが、コメディとしてはもちろんそういう方が話が面白いもんです。運と下半身だけで出世して内容が無い、どこかのビジネスマン漫画もどきとは違います(笑)。小さい背丈で回りに負けないように対抗しながら、紹介されると必ず「F・I・N・C・H」と名前の綴りを言うロバート・モース演じるフィンチは、方向性は違うとはいえ一応はそれなりの努力はしてますしね(笑)。

しかもそれに輪をかけてこの映画では、モーリン・アーサー演じるミス・ラルーの怪演が面白すぎます。所謂、悩殺ボディが自慢で頭の中がソフトクリームでできているという典型的なタイプを演じるのですが、頭のてっぺんから出す声といい、『マーズ・アタック』のリサ・マリー演じる変装火星女性に対抗できる「すそそそっ」といった感じの歩き方といい、彼女の怪演がこの映画のコメディに寄与した功績は大きいと思います。「仕事がダメなほど、後ろ盾は大きい」だけあって、手を出すとベネズエラに飛ばされたりするんですけど(笑)。

古きよき時代の肩のこらないハッピーなミュージカルです。これもあちらではDVDが出ているだけに、ぜひ日本でも廉価版のDVDを望んでいるんですけどねえ。


【努力しないで出世する方法 (HOW TO SUCCEED IN BUSINESS WITHOUT REALLY TRYING) 1967年 USA】
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by santapapa | 2005-05-30 20:14 | 洋画一般
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