修羅雪姫 (1973)

Kaji Meiko is Lady Snowblood

修羅とは阿修羅道の略で、六道の一つ。阿修羅が住み常に争いの絶えない世界を言うとされています。



文明開化華やかな明治初期のある雪の振る日、柴山源蔵(小松方正)は蛇の目傘で佇む和服の娘、お雪(梶芽衣子)の白刃によって一瞬のうちに雪を血に染めて絶命します。実はお雪こと鹿島雪が松右衛門(高木均)の依頼によって柴山源蔵を殺したのは、交換条件として竹村伴蔵(仲谷昇)、塚本儀四郎(岡田英次)、北浜おこの(中原早苗)の探索するためでした。

時を遡った明治6年、徴兵令の布告によって、各地では一揆が相次いで起こります。しかもその布告を悪用した竹村、塚本、北浜、正景徳市(地井武男)の四人は小学校教師の鹿島剛(大門正明)と息子の司郎(内田慎一)を撲殺して、剛の妻・小夜(赤座美代子)に乱暴を加えます。徳市を殺した小夜はで無期懲役で収監、獄中で教悔師や看守を誘って生まれた子供のお雪と名づけ、怨念の総てを託すと、女囚の三日月お寅(楠田薫)、タジレのお菊(根岸明美)に見守られながら息をひきとります。お雪は間もなく出所したお富にひきとられ、元旗本の僧侶・道海和尚(西村晃)の下で激しい剣の修業をつむことになります・・・・・・。

『修羅雪姫』というタイトルの映画には、2001年に釈由美子が主演して、甄子丹(ドニー・イェン)がアクションをつけて、樋口真嗣が特技監督のものがありますが、それはまた別の機会に。原作は小池一雄・作、上村一夫・画の同タイトルの劇画です。この映画は『キル・ビル』の元ネタとして注目されたために昨年DVD化もされました。

原作の劇画は読んでいないのですが、映画全編を見て非常に小池一雄のお話らしい空気を感じます。親子2世代に渡る血塗られた復讐譚。情念の世界であるにもかかわらず意外に「粘度」は高くなく、刀と無常感に彩られたハード・ボイルドとでも言いましょうか。義理と渡世のヤクザ映画とは一線を画しています。主題歌として流れる演歌がこの上なくマッチしていますね。

映像的にもウソくさいまでに過剰に流れる血糊が、かえってスプラッタ的なものよりも記号的な扱いに見えたのがよかったように思えます。雪と血、海と血、国旗と血の対比は映像的な効果を狙ってのものでしょう。

主演が梶芽衣子だったことがこの映画にとっては大きいでしょうね。美しく内に壮絶な炎を秘めたヒロインを、他の配役では考えられないくらいうまく演じています。また西村晃も味があって実にいい感じでした。


【修羅雪姫 1973年 日本】
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by santapapa | 2005-05-23 21:41 | 邦画
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