ペティコート作戦「潜水艦映画にハズレなし」とはよく言われる言葉ですが、この映画のためにあるような言葉かも(笑)。 海軍太平洋潜水艦隊司令官のシャーマン提督(ケイリー・グラント)が、廃棄処分が決まった旧式潜水艦シータイガーを訪れて、20年ほど前の太平洋戦争当時に自分が書いた航海日誌を読みながら想い出にふけります。1941年12月にフィリピンの軍港に停泊中の潜水艦シー・タイガーは、新造にもかかわらず日本軍の飛行機の攻撃を受けて大破してしまって廃棄されることに。当時シー・タイガーの艦長だったシャーマンはそれに対して乗組員全員で応急処置を施して、最寄りの基地まで脱出します。そこに新しく副官としてホールデン大尉(トニー・カーティス)が赴任。彼は戦闘経験はないものの物資「調達」の天才で、シー・タイガーに必要なものをかき集めます。セブ島に寄航したシー・タイガーですが、そこで飛行機の不時着によって取り残された陸軍看護婦のバーバラ(ダイナ・メリル)やドロレス(ジョーン・オブライエン)ら5人の女性を乗せるはめに。敵のタンカーを見つけたシー・タイガーは魚雷を発射しますが、思わぬトラブルで海岸通りを走るトラックに当ててしまったため、反撃をうけて慌てて逃げ出す始末。体勢を立て直しに寄った島で艦にサビが浮いてきたためにサビ止めの塗料を調達しますが、折からの物資不足で手に入ったのが赤のペンキと白のペンキが半分ずつ。それを混ぜて潜水艦に塗ってしまったもんだから・・・・・・。 潜水艦映画の不朽の名作だと私が勝手に思っているのが、この『ペティコート作戦』です。赤と白のペンキを混ぜて潜水艦に塗ったものだから、ジャケットにあるようにピンク色の潜水艦が誕生するのですが、これがどう見てもめちゃくちゃ変で、普通に見ているだけでも何度も笑ってしまいます。このあたりはアイディアの勝利かも。しかも、米海軍にはピンク色の潜水艦は存在しないということから(そりゃそうだ(笑))、味方から激しい攻撃を受けてしまいます。これに対して味方だと知らせるためにとった作戦が表題ですね(笑)。 潜水艦映画は男臭いと相場が決まっていますが、5人の陸軍看護婦を乗せたばかりか、さらったブタや緊急発進によって乗せた島の家族やヤギなどと次々に乗員が増えてきて、だんだん家庭的になっていく潜水艦映画は他にはちょっと知りません(笑)。おまけに攻撃されて深く潜航している時にふたごが生まれたりするもんですから、洋上の駆逐艦のソナー係が赤ん坊の泣き声が聴こえて首をかしげるのも無理もないでしょう(笑)。 ニガミばしったシャーマン艦長を演じるケイリー・グラントが、何か騒動がおきるたびに見せる困った表情がとってもよくて、思わず騒動を期待してしまうのもありますね。トニー・カーティスも実に生き生きと動き回っています。 監督は『ティファニーで朝食を』、『酒とバラの日々』、『ピンクの豹』、『グレート・レース』などを撮る前のブレーク・エドワーズ。後のコメディでよく見せるドタバタ劇ではない映画になっています。 1977年にはテレビ・シリーズにもなったそうで、残念ながら本邦未公開。見てみたいなあ。この映画の方も東北新社もいつかDVD化してくれるんじゃないかと期待しています。 【ペティコート作戦(Operation Petticoat) 1959年 USA】
by santapapa
| 2005-05-16 00:50
| 洋画一般
|
心に残る映画、ウキウキする映画、トホホな映画などについてをつれづれなるままにつづります。レビューは偏った主観なのでそこはそこで。トラックバックはカテゴリーの「トラックバックについて」参照。 by santapapa
以前の記事
カテゴリ
インデックス&掲示板
洋画一般 世界の映画 香港(中国・台湾)映画 インド映画 邦画 音楽(ライブ)映画 音楽ドキュメンタリー ドキュメンタリー映画 海外テレビドラマ 映画音楽 映画本 映画雑記 雑記 トラックバックについて タグ
SF(108)
イチオシ(49) アニメーション(40) 古装片(35) トホホ系【梅】(31) スーパーヒーロー(23) 怪獣映画(21) トホホ系【竹】(20) ミュージカル(15) 時代劇(12) cuba関連(11) トホホ系【論外】(9) 西部劇(8) トホホ系【松】(5) 最新のトラックバック
メモ帳
「だがっき」と「おと」の庵 サンタパパの打楽器と効果音のblog 社会の窓からこんにちわ 爆裂BLOG bombgirl 日刊【考える葦】Returns 映画のせかい2 映画チラシ集めました Honeywarの音楽古墳 天つば↑↓CINE TALK Happyおちゃのましねま シネマトリックス 風に吹かれて.. 瓶詰めの映画地獄 毎日が映画記念日 Albrecht Alternativity CINEMANIAX! のら猫の日記 CosiCosi.info ゆうけいの月夜のラプソディ Laughing Gnome 記憶鮮明、文章不明 Movies!! お気に入りの映画 愛すべき映画たち あいりのCinema cafe ともやの映画大好きっ! つれづれ草紙 にわか香港映画ファンノート 本日のレンタルASIA 見なきゃ死ねるか!.. 8ppy:電影電視備忘録 亜細亜的空間 SIVAのしっぽ DiaryDiary! Grico's House Lovely 電影生活 藍空 香港電影日記by香珠酒家 アスカ・スタジアム ただの映画好き日記 おやつ片手にダイエット つっきーの徒然草 青い島と街角2006 ROCK‘N‘HORROR MARYSOL のキューバ映画修行 まぜるなきけん any's cinediary It's a Wonderful Life Rabiovsky計画 OOH LA LA muelog ・僕らは映画で育ったんだ・ 100年旅をしていたい Every day of a MOVIE 超独断的番付 samuraiの気になるmono事 Web-tonbori堂別館 あのね・・・ カゴメのシネマ洞 こんな映画に誰がした? MOVIE-DIC 良い映画を褒める会。 a Black Leaf フォロー中のブログ
素晴らしき哉映画人生
六国峠@ドクター円海山の... 恋子の徒然映画日記 シネマ親父の“日々是妄言” 雑多な豆 *- Petit sou... web-tonbori堂ブログ the borderland 映画の雑貨店 Rock and Mov... こちら金町名画座/桑畑五... befounddead samuraiの気になる... 映画の心理プロファイル M’s Jumble-G... tropicalia Stampede ピカドン PICA-DON きょうのわたくし for once in ... ::: C_i_N_E_... Past Light ルナのシネマ缶 シネマの缶詰 えろぶろ at Exci... のんびり映画日記 艦長日誌 Rhymes Of An... シネマの手帖 +++映画の部屋+++ 面白い映画とつまらない映... 現代用語のクソ知識200... Afterhours *69 ☆ Inusukeなブログ ☆ 利用価値のない日々の雑学 ゴロゴロしあたー 気分はシネマニア(休止中) 日々こんなん日記 MOVIS 映画収集狂 老魔女の映画館 アジア的カフェ (By ... M-A-S MR2 No Music No ... メカpanda乗りのメデ... La Dolcé vita ささ、お茶でもいかが? みいと塁のおっさんな毎日 映画のへや 引き出しの中身 Osaka-cinema... bongokidの音楽コラム しねまだいあり~~ず。 太陽がくれた季節 映画共和国 哀愁のカルボナーラ 【徒然なるままに・・・】 のんびり列車 龍眼日記 Longan... たとえば風に向かって 2 Chupika Szpinak Mi cinema log 雑多な豆2 阪神守護天使・今日のおちちゃん 春巻雑記帳 その他のジャンル
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||