サイレント・ランニング

サイレント・ランニング

昔は予算と特殊撮影の技術の問題から、なかなかSF映画というものは多くは作られませんでした。それでもセンス・オブ・ワンダー溢れる映像というものは、映画としての面白さとしても大きいものがあり、数々のSF映画が作られています。



地球上の植物は絶滅した未来。植物は宇宙船に搭載された巨大ドームで育てられているだけ。その宇宙船ヴァレー・フォージ号に地球からドームを爆破して帰還せよという命令が下ります。ドーム内で植物を育てていた植物学者フリーマン・ローウェル(ブルース・ダーン)はその命令に逆らって、他の3人の乗組員ウルフ(クリフ・ポッツ)、バーカー(ロン・リフキン)、キーナン(ジェシー・ヴィント)を殺害して、事故をよそおって宇宙船の行方をくらませます・・・・・・。

かつてテレビで『巨大宇宙ステーション』として放映された1970年代のSF映画。当時、『2001年宇宙の旅』『アンドロメダ…』等で特殊撮影の第一人者であったダグラス・トランブルが製作・監督をした映画です。もちろん、特殊撮影もトランブル自身が担当。宇宙空間、宇宙船の機器、ロボットなど、わくわくしてくるような場面があり、この当時の映画としては最高の特殊撮影がされています。

特に2本足歩行である作業ロボットのドローンは、人間に忠実でかつ感情を持っていることも思わせる「無駄な動きがある」ペット風ロボットで、これになごんだ人も多いでしょう。後に『スター・ウォーズ』に出たR2D2や、最近では『仮面ライダー響鬼』のディスク・アニマルなど、脈々と続く系譜のひとつではないでしょうか。各社が自律型エンターテインメントロボットの開発を進めているのも当然の方向なのでしょう。

人は身近なものに自分の思い入れを持って接するもので、ここでは記号ではなくて名前をつけるところにもよく現れている気がします。ヒューイ、デューイ、それとルーイと言えばドナルドダッグの甥っ子3兄弟のことらしいのですが、赤・青と、色と順番も合っているところはご愛嬌。

お話の方は、環境問題がクローズアップされていた時期でもあるのでそういう時代らしいストーリーなのですが、かなり身勝手で話し合いもせずに殺人に走るのが主人公という非常に感情移入しづらい物語でした。宇宙船内のでキャラクターづけも日本のビジネスマン・マンガみたいに、主人公対「悪意の人」みたいな構図でしたし。かと言って、それは「狙って」やった訳でもなさそうなんですよね。同じテーマにしても、もっと作りようがあったのいではないかと思うと残念です。


【サイレント・ランニング(Silent Running) 1972年 USA】
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by santapapa | 2005-05-04 23:49 | 洋画一般
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