ライフポッド

ライフポッド

奇跡の惑星=地球に生まれた人類は酸素と水と食料、そして適度な温度の中で生活を営んでいます。それらが一切無い宇宙空間では、生命を維持する術が1つでも失われると死を迎えることになります。



時は2169年のクリスマス・イブ。地球へ帰還中の大型豪華宇宙客船が大爆発事故を起こします。緊急避難で脱出できたのは1基の宇宙救命艇=ライフポッドのみ。乗りこんだのは赤ん坊を含めてわずか10人。爆発のショックで大きなダメージを受けたライフポッドはいざと言う時の燃料を節約しながら漂いますが、限られた空気と水と食料で生き抜いていかないといけません。ところが、大型豪華宇宙客船が大爆発事故は誰かの手によって爆破されたことが明らかになり、その犯人がライフポッドに乗り組んでいる可能性が高くなります。そうするうちに一人、また一人と死亡者が出て・・・・・・。

スタインベックが原作でヒッチコックが1944年に映画化した『救命艇』という作品がありますが、『ライフポッド』はそれを翻案して舞台を宇宙に、救命艇をライフポッドに変えて作られた映画です。TV用ムービーに作られたものだそうで、DVDでは「BQSF」(B級SF)シリーズと銘打たれていますが、なかなかどうして予算こそかけてはいないもの、本格的なSF映画として評価されていい作品ではないしょうか。低予算であることを逆手に取って、主な舞台をライフポッド内の人間ドラマにして閉塞感を強調しているのも成功の一因かもしれません。

映画では冒頭からテンション全開で、大型豪華宇宙客船の大爆発事故からライフポッドによる脱出までが、まず大きな見所です。豪華客船を思わせるゆったりとした雰囲気がいきなり阿鼻叫喚の光景になり、その後畳みかけるようなシーンの連続で脱出の時の緊張感を最高潮に演出しています。また、ラスト付近の展開もどう転ぶか判らず、かなりハラハラドキドキさせられました。

中間部は次々に襲ってくる生命の危機と絶望、そして宇宙船爆破と殺人犯が誰だか判らないという疑心暗鬼でサスペンス・タッチのストーリーが展開してきます。息苦しい閉塞感と命をつないで行く緊張の場面が続くので、閉所恐怖症などの人にはあまりオススメできません(笑)。その中で、ライフポッドに乗っているそれぞれの人物の過去や思惑が次第に明らかになっていきます。

ビデオカメラなどの小道具の使い方も見事ですね。クリスマス・カードによる演出や、過去に木星での事故の時に船のクルーであるのに一人で生き残った心の痛みなど、細部の描写にもほろりとさせられました。私としては満足感の残る作品です。

ヒッチコックの『救命艇』は見たことが無いのですが、機会があればぜひ見たいと思っています。


【ライフポッド(LIFEPOD) 1993年 USA】
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by santapapa | 2005-04-26 00:05 | 洋画一般
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