クロスオーバー・ドリーム

近年では出演映画も増えて、映画ファンの間でも名前を知る人も出てきていますが、かつてはサルサのカンタンテ(歌手)の代表の一人であったルーベン・ブレイズ(RUBEN BLADES)の、サルサをテーマにした主演作。



ニューヨークでサルサの歌手のルディ・ベロス(ルーベン・ブレイス)は、毎晩華やかなナイトクラブで歌っていますが、放蕩暮らしでいつも文無し。いつかUSAのポップス市場で売れて有名になってやろうという野心を持ちながら暮らしてします。ある日、ルディの音楽的支えでもある親友チャオ・ババルー(ビルヒリオ・マルテ)が突然死んで、ひどく落ち込むことになります。そんな時、メジャー・レーベルでのオーディションに受かり、レコーディングの契約を結ぶことに成功。道が開けたように思えたのですが、放蕩な生活は続き、挙句の果てにはガールフレンドのリズ(エリザベス・ペーニャ)や親友オルランド(ショーン・エリオット)をないがしろにする始末。ルディはヒットを狙ってコマーシャル・ベースのレコード作りますが、売れ行きは芳しくなく、失敗に終わります・・・・・・。

いろんな意味で主役を演じたルーベン・ブレイスに重ね合わせてしまう物語です。パナマ出身のルーベン・ブレイスはパナマ大学で法律を学んで弁護士となり、そしてその後USAでハーバード大学に学びますが、類稀なるその声と作曲の才能でサルサの世界で大成功をおさめます。グラミー賞も4度受賞、ウィリー・コロンとのコンビでも有名で、特に1978年に出してヒットしたアルバム『シエンブラ(Siembra)』では1曲目の「Plastico」で中南米のラテン世界の蜂起を叫んでいるのが印象的です。一方、保守的なサルサ界の音楽に飽き足らずバンド編成やアレンジなどにいろんな挑戦をしてきている人でもあります。

この映画ではもちろん、サウンド・トラックも音楽をやっている場面も印象にありますが、特に印象に残ったシーンが2つ。屋上でクラーベを叩きながら歌うシーンは心に染みます。また、ギターとトランペットで歌う場面では、かつてデビューの頃はギターでフォーク風の歌をやっていたという頃の話を彷彿とさせて聞きほれます。

なお、ルーベン・ブレイスは1993年に故国パナマで社会平等と平和と自然保護を看板とする政党「パパ・エゴロ」党を立上げて、翌1994年パナマ大統領選挙に立候補するも20%の得票で27候補のうち3位で当選は出来ませんでした。2000年には人種問題の国連親善大使となっています。


【クロスオーバー・ドリーム(Crossover Dreams) 1985年 USA】
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by santapapa | 2005-04-19 23:38 | 洋画一般
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