バロン

バロン

バロンとは、かつての欧州君主制社会における貴族の爵位で男爵と言う位に当たります。実在したカール・フリードリッヒ・ヒエロニュムス・フォン・ミュンヒハウゼン男爵が話を大きく膨らませて面白おかしく武勇談を話したものが、書き留められて出版されてひろまったのが『ほらふき男爵の冒険』だということです。



中世ドイツのある町ではトルコ軍に包囲されて廃墟寸前。その劇場に年老いて死神に憑かれたバロンことフリードリッヒ・ミュンヒハウゼン男爵(ジョン・ネヴィル)が姿を現わして、自分がなぜ皇帝に狙われているかを説明し始めます。ところが誰もバロンをバカにして相手にしない上に、劇場も砲撃にやられて崩壊状態になってしまいます。そんな中、ひとりの少女サリー(サラ・ポリー)とご婦人方に励まされて、バロンはトルコ軍をやっつける約束をします。そのためにかつての仲間である、世界一の足の速いバート・ホールド(エリック・アイドル)、怪力の持ち主アルブレヒト(ウィンストン・デニス)、鉄砲の名手アドルファス(チャールズ・マッケオン)、どんな小さな音も聞こえてとんでもない肺活量の持ち主グスタヴァス(ジャック・パーヴィス)の四人を探しに出かけます・・・・・・。

『ほらふき男爵の冒険』としてよく知られている話を元にテリー・ギリアムが映画化したファンタジー。ミュンヒハウゼン男爵の奇想天外な冒険はいろんな人が想像を喚起させられるらしく、星新一の『ほら男爵現代の冒険』などもそのひとつでしょう。原作のエピソードも随所に盛り込んで、自由に想像の羽根を伸ばした作品になっています。

ヨーロッパ文化に根ざした美術がとても美しい作品です。一朝一夕にはできない文化の重みを、そこはかとなく感じますね。城や劇場や街並みなどの映画黎明期の雰囲気を漂わせるような月のシーン、泰西名画を思わせるユマ・サーマンのビーナスの誕生、どことなくひょうきんな巨大な魚など、眼福を感じる映像です。

かつての仲間と再会し、過去は過去だと気づかされながら、それぞれが自身を回復していく作品はやはり暖かくなれますね。息を呑む最後の展開も含めて何度も見たくなる映画です。


【バロン (The Adventures of Baron Munchausen) 1989年 UK】
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by santapapa | 2005-04-10 23:07 | 洋画一般
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