ひまわり

ひまわり

夏に大きな花を咲かせる黄色い舌状花をもつひまわりは、世界中で太陽の象徴としての名前がついています。



第二次大戦の暗い影がおちはじめたイタリアはナポリで、貧しいお針子のジョバンナ(ソフィア・ローレン)と電気技師のアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、海岸で出逢って恋におちます。ふたりが結婚式をあげた時には、アントニオが徴兵される日までもう2週間しかなく、ジョバンナと離れたくないアントニオは陽狂を装います。しかしそれがばれたために酷寒のソビエト戦線に放り込まれ行方不明になってしまいます。戦後になってアントニオの母(アンナ・カレーナ)と暮していたジョバンナは、最後にアントニオに会ったという復員兵(グラウコ・オノラート)の話を聞いて、ひとりソビエトにアントニオを探しに出かけます・・・・・・。

ストーリーだけを追って見れば、運命に翻弄されるただのメロドラマです。私自身はあまりお涙頂戴もののメロドラマは好きではなく、親が「いい映画だったから」と言っていた言葉を思い出して、たまたま学生時代に名画座でやっていたのを見に行きました。実際に目にした映画は、筋立てはまさに戦争に引き裂かれた女と男のメロドラマでした。しかし、スクリーンから目を離すどころか映画の中に引き込まれ、最後の駅のシーンでは不覚にも涙がにじんでしまった作品です。その後、見る機会がある度にじわじわと心に沁みてくる映画となりました.

この映画は何度も見ると、同じ駅でのシーンや約束したおみやげ、割れた鏡に映る2人の姿など、本当に脚本を練っていて、丁寧に作られた作品だなと思います。一番印象的なのは映画のタイトルにもなっている一面のひまわり畑ですが、その前の極寒のロシア戦線との対比がより風景を印象深くしています。またソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの演技にもすばらしいものがありました。

中でもこの映画の素晴らしさはヘンリー・マンシーニが作った主題曲にあると言えるでしょう。かつては映画音楽特集があればかなりの確率で聴くことができたこの曲が、この映画であげている効果は計り知れません。逆にいえばこの映画の主題曲が、もし他の曲であったらかなり印象が変わってしまったでしょう。『ひまわり』と言えば即座にメロディが浮かぶぐらい、切っても切れないものになっているのではないでしょうか。


【ひまわり(Sunflower) 1970年 イタリア】
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by santapapa | 2005-03-23 22:01 | 洋画一般
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