【ジョニー・マンデル】

映画音楽の作曲家としてはあまり名前も知られていないのか、なかなか作品集も見かけないジョニー・マンデル(Johnny Mandel)ですが、メロディ・メーカーであり編曲家としても素晴らしい人です。



1925年11月23日、USAはニューヨークで生まれたジョニー・マンデルは12歳でトランペットを始め19歳の時にトロンボーンをやるようになって、ジュリアード音楽院に学び、ボイド・レイバーン・オーケストラ、ジミー・ドーシー・オーケストラ、バディー・リッチ、ウディ・ハーマン、アーティー・ショー(先日お亡くなりになってしまいました)等のアレンジを手がけるようになります。1949年にラジオ放送局WMGMで音楽部門を担当して劇音楽の作曲を経験、1950年から1951年にはTVを手がけ、1953年にトロンボーンと編曲担当として変革期のカウント・ベイシー・オーケストラに参加、『ダンス・セッション』等のアルバムを出します。1954年にロス・アンジェルスに移ったジョニー・マンデルはジャズやラスベガス・ショーのための音楽を書きながらハリウッド映画の音楽を担当するようになります。最近はほとんど映画音楽の仕事はやっておらず、シャーリー・ホーンやマンハッタン・トランスファー、そしてダイアナ・クラールのアルバムのアレンジャーとして活躍しています。

ちなみに、いとこのマイルス・グッドマン(Miles Goodman/1949-1996)も映画音楽の作曲家で『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1986)、『ラ・バンバ』(1987)、『天使にラブソングを2』(1993)、『フットルース』(1984)などを手がけています。

主な作品は以下の通り(goo映画)。
http://movie.goo.ne.jp/cast/3128/index.html

ジョニー・マンデルの曲で一番有名なのは『いそしぎ』の主題歌である「The Shadow of Your Smile」でしょう。この曲はアカデミー賞を受賞し、またジャズのスタンダードとして多くの人に愛されています。スローなナンバーとしても、またボサ・ノバとしても演奏されることが多く、スタンダードの中でも好きな曲のひとつです。キーボードで弾くとコード進行の落ち方がとても心地よい曲です。

主題歌の印象では『M★A★S★H(マッシュ)』も強く残っています。劇中でも歌われるしっとりとした「Suicide Is Painless」は後のTVシリーズではインストゥルメンタルのテーマ曲にもなっています。この曲はジャズのビル・エバンスやマーク・コーエンも「THEME FROM MASH」として採り上げています。ビル・エバンスのスコアは昔キーボードー・マガジンに載っていて、学生の頃、この曲と「カバティーナ」を演奏したこともありました。

私が密かに映画音楽の中でもベスト10に入れたい曲が『午後の曳航』のテーマ曲です。触るとこわれそうに思えるような繊細で静かな曲で、ピアノのメロディと対旋律をなす高音のストリングスが澄み切った音を奏でる佳曲です。ジョニー・マンデルのストリングス・アレンジの手法は、現在のマンハッタン・トランスファーのクリスマス・アルバムやダイアン・クラールでのアルバムでも生きていますね。この曲は大昔にエア・チェックしたものしか持っていないのですが、海外サイトなどでずっと捜していてもどうもCD化された様子がありません。私的名曲だけにぜひCDで聴きたい曲です。

ジェリー・マリガンも入っているジャズ・コンボによる『私は死にたくない』も印象的なサウンド・トラックです。ボンゴのロールに始まるサスペンス・タッチのテーマ曲を始めとしてジャズ・アルバムとしても楽しめるサウンド・トラックでした。
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by santapapa | 2005-03-13 19:45 | 映画音楽
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