深海征服

Neptune Factor

その昔、映画のポスターは写真ではなくて手書きの絵が主流でした。



大西洋の深海で海洋ラボ第2号と呼ばれる海底研究所では、人間が肉体的・心理的に海底環境にどの程度まで適応できるかという実験が行われていました。このラボは海上に浮かぶ母船トライトン号からケーブルによって電力など供給を受けていましたが、ある日、海底地震に見舞われて海溝深くに転落してしまいます。救援隊を呼んで4日間にわたる海底捜査でもラボは見つからず、最後の手段として深海の水圧に耐えられる最新鋭の深海潜水艇ネプチューン号が現地に運ばれます。その調査でラボが海草をひきずりながら海溝に滑り落ちた事が判明。未知で不安定な地域に潜水する事を拒む指令官アドリアン・ブレイク(ベン・ギャザラ)を説得し、ネプチューン号はラボの乗員を救うために海溝の奥底の深海に潜ります。未知の深海には驚くべきことに巨大な水棲生物が・・・・・・。

ぽこさまのblogで中締めの「ワースト☆を振り返る」がエントリーに挙がっていて、少し私なりに思い出してみました。なかなかワースト映画については書くのも気が重いし、これまでにも「あかん!」と思ったのは「トホホ系 梅」の一部ぐらいしかありません。私は割りと映画に対してはストライク・ゾーンは広い方ですし、また世間といろいろとズレがあるので、洋画のワーストでちょっと思いつく中では『チアリーダー忍者』とか、『ID4』とか、ディズニー映画『パールハーバー』あたりでしょうかねえ?

で、この『深海征服』、まずタイトルがやばいです。映画で「征服」と名がつく「征服もの」は、本で「~のすべて」というものが全てであったことがないように、征服してたためしがありません(例:火星にしか行かないのに『宇宙征服』)。この映画も単に潜航艇が潜るだけです。これでは征服マニア(←いるのか?)の怒りを買うことは必然です。

実はこの映画のポスターがめちゃめちゃかっこいいんです。「The Neptune Factor」で画像検索すると
出てきたりするんですが、おお!すげえ!未知の深海に住む多くの巨大水棲生物と戦う、特撮を使った大スペクタクル海洋ロマンみたいではありませんか!実際主役であるカナダの潜航艇ネプチューン号は、カナダの国旗を意識した配色もさることながら、そのデザインも結構気にいってました。潜水艦とか潜航艇とかも好きでしたし、クストーの本なんかもよく読んでいたのです。わくわく!


そして映画館で見た本編。






「・・・・・・」







あたかも深海にいるかのように黙りこくる観客・・・・・・。


もうね、なんと言うか。映画のシーンも佳境に入って、一番のキモである特撮の場面に驚愕しました。模型を投げ入れたただの水槽に入った魚をのほほんと映しているだけ。なんか魚も模型を入れられてびっくりしたり困ったりしているようです(苦笑)。もちろんポスターにあるような、人と水棲生物とのからみは一切無し。ほとんど当時の映研の連中が作った方がナンボかましみたいな映像でした。『謎の円盤UFO』だったかのCMで見たソニーの「ボク、タコの赤ちゃん」という映像の方が100万倍感動しましたわ。

思わず、キダ・タローがJRIのチェーン店のために作った「いけす道~楽~」というデューク・エイセスの四声コーラスのメロディが、頭の中をぐるぐるとエンドレスでこだましてしまいました(ウソですけど)。この映画がトラウマで『アビス』や『ザ・デプス』、『リバイアサン』などを公開時に見に行かなかったというのは本当です(笑)。

あまりに笑撃的な映像に「いけす道楽」が脳内でエンドレスでかかっていたので、まったく音楽が印象に残っていませんが、この映画の音楽担当という貧乏くじを引いたのは、ラロ・シフリン。『マニトウ』といい、なんというかその・・・・・・、ご愁傷様です(苦笑)。

【深海征服(The Neptune Factor) 1973年  カナダ=USA】
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by santapapa | 2005-03-08 02:03 | 洋画一般
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