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イルカの日

イルカの日

かしこい動物の代表格として、海に住む哺乳類であるイルカが挙げられることが多いのはご存知でしょう。実際水族館でも複雑な芸を憶えているイルカを見て思わず拍手をすることがよくあります。このイルカがもし、言葉を憶えたら・・・・・・。



海洋動物学者として世界的に著名なジェイク・テリル博士(ジョージ・C・スコット)は、フロリダ沖の島にイルカを研究するための研究所を構えていました。そこでは1頭の牡イルカにはアルファからファーと名前をつけて英語を教えこんでいて、今ではテリル博士をパパとして「パー」と呼ぶようにまでなっていました。やがて、そんなファーのためにビーという牝イルカが運ばれてきます。ビーと仲良くなったファーはイルカの言葉を教わり、一時期はテリル博士と話さなくなりましたが、やがてファーは単語のみならず文章も憶えて、ビーもファーから教わって次第に人間との会話ができるようになってきます。そんな時、スポンサーである財団がテリル博士の研究に介入しはじめてきます。そしてその裏には実に恐ろしい陰謀が隠されていたのです・・・・・・。

イルカが出てきて泳ぐというだけでも好きな映画ですが、またイルカとの交流にサスペンス・タッチを加えたSF映画です。イルカを子供のように思いながら育てていく博士夫妻、両親のように慕うイルカたち。それにからんでいく周りの人々の黒い思惑。主役になっているのが、意志をもち喋ることができるイルカだけに美しくて切ない映画でした。博士が妻と話しながら、「私がイルカ語を話せばよかったんだ」と言い出すシーンやラスト・シーンはじーんときます。

ジョルジュ・ドルリューの静かなテーマ曲は、昔はよく映画音楽の特集では流れた曲です。安らぐようで、もの悲しいこのテーマ曲が映画全体のカラーを表していると同時に、印象深いものにしています。この曲を聴いているだけで、ファーとビーの声が聴こえてくるような、そんな気がします。


【イルカの日(The Day of the Dolphin) 1974年 USA】
by santapapa | 2005-03-07 23:39 | 洋画一般
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