五つの銅貨

Five Pennies

人生の中でとても大切なもの。

  希望  踊り 笑い 

それを忘れずに生きて行こうと思えたのは、この映画との出会いがあるからです。



1920年代のUSA、コルネットが得意な田舎の青年、レッド・ニコルズ(ダニー・ケイ)はニューヨークに出てきて、ウィル・パラダイスの楽団に入ります。そこでレッドは後にマネ-ジャーになるギターのトニー(ハリー・ガーディノ)や歌手のボビー(バーバラ・ベル・ゲデス)と知り合いになります。またハーレムの酒場でルイ・アームストロング(ルイ・アームストロング)と即興でかけあい演奏をやったことから彼と仲よくなり意気投合、そしてボビーと恋仲になったレッドは彼女と結婚をします。

やがてバンド・リーダーとの音楽的な見地の違いでウィル・パラダイス楽団を脱退、新たに自分でファイブ・ペニーズ楽団を結成して地方巡業をはじめます。そんな時に娘のドロシー(スーザン・ゴードン)が生まれます。レッド・ニコルズの人気は絶頂期にあって、育っていくにつれて巡業生活の悪影響を憂えた親はドロシーを寄宿舎に預けます。ところがクリスマスの夜、両親と会える約束に寄宿舎から抜け出して外で雨にあたり続けたドロシーは、高熱で倒れて小児麻痺にかかり足が不自由になってしまいます。レッドは音楽に熱中するあまりに娘にかまうことができなかったことを後悔して、バンドを解散し、金門橋から愛用のコルネットを投げ捨てて残りの人生を娘のために生きることにします。

第2次世界大戦が始まった頃、レッドは造船所の職工をやっていて娘のドロシーは13歳になってました。娘は父が昔、非常に有名なプレイヤーだったことを知り、ボビーの協力もあってレッドは再び舞台に立とうとしますが・・・・・・。

ジャズ黎明期のコルネット奏者、バンド・リーダーとして活躍をしたレッド・ニコルズを主人公に据えた映画です。私生まれる前の映画ですが、鼻水を袖ですすってた頃のガキンチョ時代に見てすこぶる感動した映画です。元々涙腺がゆるい方なんですが、多分映画を見て涙を流したのはこの映画が生まれた初めてだったと思います。本当に単純な映画なのですが、その後何度も見直しては感激を新たにしている私にとってのエバー・グリーンな映画です。

主役のレッド・ニコルズに扮するダニー・ケイが実に魅力的な主人公を演じています。またルイ・アームストロング本人が出ていることを後にジャズを知ってから知りましたが、元々味のあるおっさんだけにこれがまたとてもいい感じです。

映画の中で演奏させる曲の数々も魅力的で、ディキシーなんかはこの映画で好きになったというのもあると思います。また、賛美歌でもある「リパブリック賛歌」は日本でも「われら主の輝くみ栄え見ぬ」とか、「おたまじゃくしはカエルの子」とか、「ゴンベさんの子供はカゼひいた」とか、「丸い緑の山手線」とか歌われたりしているみたいです。この曲の歴史的経緯については「世界の民謡・童謡 ドナドナ研究室」さまの「ファイルNo.006 リパブリック讃歌 歴史編」、「ファイルNo.007 「リパブリック讃歌 誕生編」に詳しいのでぜひ読みにいかれてください。

そして、ダニー・ケイの妻のシルビア・ファインが作詞作曲した、「五つの銅貨」や「ラグタイムの子守唄」がまたいい曲なんです。希望、夢、踊り、笑い、愛をそれぞれ1枚ずつの銅貨になぞらえた「五つの銅貨」は子供の頃からずっと心の底で光り続けています。

残念ながら本国も未だDVDは発売されていないみたいです。『グレン・ミラー物語』や『ベニー・グッドマン物語』が出ているだけに、早くDVD化を望みたいですね。Amazon.comのビデオのレビューを読みながら、この映画を愛している人がまだまだ多くいるのを知って嬉しくなりました。


【五つの銅貨(The Five Pennies) 1959年 USA】
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by santapapa | 2005-03-06 21:37 | 洋画一般
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