ミクロの決死圏

ミクロの決死圏

SFといえば多くの場合宇宙に目が行きがちですが、海や地底を舞台にしたSFも少なくありません。そして、ミクロの世界もSFの舞台として使われます。



物質縮小化の研究を完成させたチェコスロバキアのの科学者ヤン・ベネス博士はUSAに亡命しますが、敵のスパイ車に乗っているところを襲われて、博士は脳出血を起こして倒れてしまいます。偉大な博士を死から救うには他の方法がないと思い決断した科学チームは、物質縮小化光線を使って細菌大にされた体内に人と潜航艇を潜り込ませて手術を行うことにします。前代未聞の計画に参加して潜行艇プロテウス号に乗り込むことになったのは、脳外科医デュバル(アーサー・ケネデイ)とその助手コーラ(ラクェル・ウェルチ)、循環器系専門医マイケルス(ドナルド・プリーゼンス)、海軍大佐オーウェンス(ウィリアム・レッドフィールド)、特別情報部員グラント(スティーブン・ボイド)の5人。タイム・リミットは1時間でそれを超えると縮小化したものは再び元の大きさに戻ってしまいます。頚動脈の注射針から動脈内に潜り込んだプロテウス号の5人は、はたして時間内に博士の脳内出血を治療することができるのでしょうか?

1966年の映画で、当時その斬新さからよく知られた作品になっている古典ともいえるべきSF映画です。オットー・クレメントとジェイ・ルイス・ビックスビーが原案を作り、リチャード・フライシャーが監督しました。

噂に寄ればサルバドール・ダリが美術デザインに参加したとも伝えられていますが、ことの真偽は不明です。ただ、体内の舞台は独特の世界観があって、体内とはまた少し違うどこか別の見知らぬ世界のような雰囲気を漂わせていました。現代の目から見るとキッチュな雰囲気がしたり、テーマパークの飾りみたいに見えるかもしれませんが、なかなか映像にマッチした美術に見えました。

音楽はレナード・ローゼンマン。シェーンベルクに学んだ12音技法を主とした無調音楽を得意とする現代音楽作曲家でもあります。その一方、『エデンの東』みたいな美しく憶えやすいメロディも書ける才人です。ここでは体内の雰囲気にマッチした得意の無調音楽で本領を思う存分発揮しています。

ストーリー運びは今見ると突っ込みたくなるところが数多くあったりしますが(笑)、昔テレビ放映で見た時分は食い入るように見ながらハラハラしたものでした。タイム・リミット、次々に現れる思わぬ障害、疑心暗鬼と、おなじみの道具立てを使いながら、引っ張っていったところも今なお記憶されるSF映画なのでしょう。

最大の謎は、博士の体内の抗体が一緒にいる男性は放っておいてラクェル・ウェルチしか襲わなかったことです(笑)。


【ミクロの決死圏(Fantastic Voyage) 1966年 USA】
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by santapapa | 2005-03-01 22:30 | 洋画一般
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