グッバイガール

グッバイガール

雨の日は憂鬱だったりしますが、その時には気づかなくても後から思い出せば雨の日に始まった出来事もあったりします。



ニューヨークの片隅での物語。ハリウッドに俳優で愛人のトニーと3人で行けると喜びながら買い物から帰る元ダンサーのポーラ(マーシャ・メイソン)と娘のルーシー(クイン・カミングス)。2人で上機嫌でアパートに帰った時、トニーはいい仕事が入ったと置手紙を残してイタリアに去ってしまった後でした。男運のないポーラにとっては初めてのことではありません。10歳になる娘のルーシーの父親も俳優でしたがやはりポーラの元から去って行ったのです。悲嘆にくれるポーラですが、そこにエリオット(リチャード・ドレイファス)という男が現れて、トニーから部屋を譲り受けたので明け渡すようにと要求されたから大変。一悶着あった後に、別々の部屋を使うということを条件にポーラとルーシーはアパートに残れることになります。真夜中にギターを弾き、明け方には香を焚いて読経をするという変わり者のエリオットの仕事は、よりによって俳優。「リチャード三世」の主演俳優としてニューヨークに来たのでした・・・・・・。

ハーバート・ロス監督とニール・サイモンの脚本によるコンビの作品。当時のニール・サイモンの妻であるマーシャ・メイソンが出演しています。決して美男美女を気取ってはいない恋に不器用な大人の男女を軸にしたロマンチック・コメディ。私はあまり恋愛ものは見ないのですが、この映画は私には地味ながらもじわじわと効いてくる映画でした。食べ過ぎたルーシーを介抱するシーン、アパートの屋上でのシーン、馬車でエリオットがルーシーと話すシーン、そしてラスト・シーン等々心に残る場面がいくつもありました。「リチャード三世」とスバルの宣伝には苦笑いさせられましたけど(笑)。

『黄昏』でも素晴らしい音楽を作ったデイヴ・グルーシンがここでもいい仕事をしています。デイヴ・グルーシンの作品は、風景と心の機微を重ね合わせて感じさせるような表現が上手いといつも感じます。エンディングにかかるデビット・ゲイツの主題歌もいいですね。当時大ヒットしたように思います。

母を見ながら苦労して生きてきたであろうおしゃまな娘のルーシーが、いいところでポイントになっているのもほほえましいです。クイン・カミングスが大人の物語に無理なく入って、見事に演じきってます。この人はこの後、映画には出なかったんですかね?

なんと言ってもリチャード・ドレイファスの多彩な演技が見事でした。変人で奇行の多いエリオット、演技に没頭するエリオット、落ち込むエリオット、ダンディにめかし込むエリオットなど人間味たっぷりな演技に、知らず知らずのうちに感情移入をさせられていました。


「いい映画でスターになって」

映画の終り近くでエリオットに上着を着せながら、別れの予感に胸騒ぎしながらポーラが言うセリフです。

「できたらアカデミー賞を取ってね」

そしてこの『グッバイガール』でエリオット役のリチャード・ドレイファスは、本当に史上最年少のアカデミー主演男優賞を取ることになります。


【グッバイガール(The Goodbye Girl) 1977年 USA】
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by santapapa | 2005-02-25 22:24 | 洋画一般
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