ダウンタウン物語

Bugsy Malone

ギャング映画は数あれど、子供だけが出ているギャング映画はこの『ダウンタウン物語』を置いて他にはないでしょう。



1920年代の禁酒法時代のニューヨーク、ダウンタウン。そこでは2組のギャング団、肥っちょサム(ジョン・カッシージ)一派と新興ボスでおしゃれのダン(マーティン・レブ)一派がシマを争っていました。ダン一味は新式の銃を装備して次々にサムの仲間を倒して行きます。ダン一味がサムの秘密の酒場を襲った夜に、伊達男のバグジー・マローン(スコット・バイオ)は売り込みに来た歌手の卵のブラウジー・ブラウン(フロリー・ダガー)と出会って好きになります。が、サムの情婦で歌手のタルーラ(ジョディ・フォスター)もバグジーに気がある様子。サムとダンは森の中で会談を持とうとしますが、双方の裏切りであわや命を落としそうになるサムをバグジーが救います。サムはその礼にとバグジーに200ドルを渡して、バグジーはその金でブラウジーに、憬れのハリウッドへ二人で行こうと誘います。ところが帰り道にバグジーは暴漢に襲われてからっけつに・・・・・・。

ここしばらく、映画の心理プロファイルさまのblogで子役特集をしていましたが、この映画は平均年齢12歳の子供ばかりが出演しているという唯一無二のギャング映画ミュージカルです。原題は主人公の名前で『Bugsy Malone』。これでは判りにくいと邦題は『ダウンタウン物語』になったのでしょう。監督・脚本はこれが初監督作品になるアラン・パーカー。これ以前には『小さな恋のメロディ』の脚本を書いています。音楽と作詞はポール・ウィリアムスが担当しています。

子供ばかりと言っても学芸会レベルと思ったら大間違い。監督は妥協を許さなかったそうで、演技はなかなかのもの。声の高さやヒゲが似合わないのはご愛嬌、というか、おそらくそういうアンバランスさを狙っているのでしょう。ませたチビッコ・ギャングたちがスクリーン狭しと暴れまわります。

ストーリーだけ見ると血で血を洗うギャングものみたいですが、漆喰銃と名づけられたマシンガンは生クリームが飛び出す特殊製で、それまでの武器であるパイ投げなど目じゃないスグレモノ。当ると一応死んだことになるそうで二度と出てきません。走り回るクラシック・カーは足こぎです。なのに、「運転できるか?」「できない」という部下には笑っちゃいましたが(笑)。そして、マシンガンも車も効果音は本物の音が当てられてます。「ごっこ」でありながら真剣な「ごっこ」です。脚本も芸が細かいし、セットや美術が細部まで凝った丁寧な作りになっていて、決して子供だましの映画になっていません。

この中で一番のビッグ・ネームになったジョディ・フォスターは、当時14歳で『タクシー・ドライバー』と同時期の作品です。化粧嫌いの私は妖艶と言うよりは「ケバい!」と思ってしまいましたけど(苦笑)、年齢に似合わない大人びた雰囲気は確かです。

タイトルバックの「Bugsy Malone」からしてしゃれた感じの曲で、時代設定にマッチした感じの音楽がなかなか心地よいです。秘密酒場での子供ばかりのビッグ・バンドのシーン、サムの部下4人が踊りながら歌うシーンや、配給を受ける集団のスプーンを持って歌うシーンなど、ミュージカルならではの見所もあります。フロリー・ダガーが部屋でしっとりと歌う「Only A Fool」は一番の名曲だと思います。


【ダウンタウン物語(Bugsy Malone) 1976年 UK】
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by santapapa | 2005-02-21 21:54 | 洋画一般
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