ヘビー・メタル

ヘヴィメタル

音楽でもヘヴィメタルというジャンルがありますが、実はこの映画、それとは直接関係ありません。本邦初公開時には『ヘビー・メタル』というタイトルで、1996年には『ヘヴィ・メタル』というタイトルで再映されたR指定のアニメーションです。



帰還した宇宙飛行士の父が娘の前でカバンから取り出したものは、緑色に光る丸い物体でした。生き物のように動くその物体は瞬く間に父を殺し、娘に迫ります。緑色の光る球体は自らを悪の権化ロック・ナーと名乗り、時空を越えた物語を語り始めます・・・・・・。

物語は「ソフト・ランディング」、「グリマルディ」、「ハリー・キャニオン」、「デン」、「キャプテン・スターン」、「B17」、「美人は危険」、「ターナ」の8つの部分からなり、それぞれ別々の監督によって作られています。話の内容もそれぞれ独立して見ることができるようになっていて、話の中に最終的にロック・ナーを絡ませて統一感をとっているといった印象です。

学生時代は洋書店でアメリカン・コミックス漁ってた頃がありまして、その頃よく見かけていたコミック雑誌が「MAD」、「National Lampoon」そして「Hevy Metal」でした。「MAD」は英語が判らなくてもそこそこに判りやすいコミック誌で(『スター・ウォーズ』のパロディとかが載ってたりしました)、「National Lampoon」はテキストも多くコミックも独特の画調でシニカルで判りにくいコミックスでした。その「National Lampoon」の出版社がフランスのアダルト向けSFコミックス誌「メタル・ユルラン」(Metal Hurlant)をUSA向けに翻訳して出したものが「Hevy Metal」誌の始まりだということです。その後、その路線を引き継ぎながらもUSA独自の作家陣の連載の比重が大きくなり独自のアダルトSFコミックの世界を確立していました。当時の「HEVY METAL」誌を眺めると、日本のマンガ家の中にも(悪い意味ではなく)いろんな影響を受けた作家少なくないことが判ります。

その「HEVY METAL」誌そのものをそのまま映画にしたものがこのアニメーションです。ストーリーは二の次で映像インパクトと雰囲気重視、頻繁に出てくるアダルトでエロティックな表現など、まさに「HEVY METAL」誌ならではの世界がここでは展開されてます。独特なタッチとアニメーション技術のこなれてなさによる自主制作臭まで「HEVY METAL」誌っぽいのはご愛嬌かもしれませんけど(笑)。ちなみに、1999年には続編も作られました。

音楽にはブルー・オイスター・カルト、チープ・トリック、ジャーニー、ブラック・サバスなどが使われてますが、かなり添え物的です。ドナルド・フェイゲンの曲も使われてたりします。それ以外のかなりの部分で流れるにロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの演奏によるスコアを書いたのが、なんと必殺仕事人(笑)、エルマー・バーンスタインでした。

なお、音楽のヘヴィメタルを「ヘビメタ」と略すると、メタル・ファンの中には気分を害する人が少なくないのでご注意を。


【ヘヴィメタル(HEAVY METAL) 1981年 USA】
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by santapapa | 2005-02-15 21:46 | 洋画一般
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