まごころを君に

まごころを君に

原題は主人公の名前である『Charly』(題字ではRが裏返し)、原作はダニエル・キースの『アルジャーノンに花束を』です。



精神遅滞のチャーリイ・ゴードン(クリフ・ロバートソン)は、パン屋に勤めながら夜学に通っていました。日々、パン屋の仲間にはからかわれながら、夜学では熱心に勉強をするチャーリイ。夜学の教師アリス(クレア・ブルーム)は、友人の精神科医アンナ博士(リリア・スカラ)とリチャード博士(レオン・ジャニー)に診断を依頼します。そこでは知能を飛躍的に伸ばす特殊な脳外科手術が開発されて、既に白ネズミを実験動物として手術を行い成功させています。その中の1匹がアルジャーノンという名前で、チャーリイは迷路のゲームでアルジャーノンと競争しますが負けてしまいます。アルジャーノンと同じ手術を受けるかどうかを尋ねられて、友人と一緒に話をしたいとチャーリイは手術を決意します。アリスの奔走で手術を受けたチャーリイは、次第に自分の頭脳がどんどん成長していくことに気づきます。やがて天才になったチャーリイは・・・・・・。

原作の『アルジャーノンに花束を』は1959年に発表した中篇がヒューゴ賞を受賞、1966年に加筆して再出版した長編がネビュラ賞を受賞しただけのあるSF史上名作中の名作です。早川書房でも長らく文庫化されずに単行本で出ていた作品で、特に日本語の翻訳版ではひらがなと漢字、そして句読点の使い分けを駆使して、一人称であるこの小説の中でのチャーリイの様子を極めてうまく表現しています。原作がそれだけの大きい作品だけに、映画という表現方法では内面の表現や時間的な制約上非常に難しいと思われます。実際見た時には原作を先に読んでいたためにどうにも物足りなさが残りましたが、何度か見ているうちに映画として独立して見れば、そう悪くないものだと感じるようになりました。

チャーリイ役のクリフ・ロバートソンの変わっていく演技が素晴らしいです。クリフ・ロバートソンはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞しました。最近では『スパイダーマン』で主演のトビー・マグアイアの叔父さん役をやっていましたね。終わりのあたりの迷路に重ねた表現と、その後ウェイターが落としたグラスを拾うチャーリイの姿が印象に残ってます。

音楽は、当時インドのミュージシャンとしては日本でも知られていたラビ・シャンカールです。独特の雰囲気にマッチした音楽になっています。


【まごころを君に(Charly) 1968年 USA】
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by santapapa | 2005-02-13 21:35 | 洋画一般
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